3月下旬。
京都市東山区の高台寺に参拝しました。
高台寺は、東山を代表する寺院で、多くの旅行者や観光客の方が訪れます。
近年は、様々な趣向を凝らしていることから、ますます注目を集めていますね。
東山を散策する際は、拝観しておきたいお寺であります。
遺芳庵から蓬莱式庭園
高台寺は、京阪電車の祇園四条駅から南東に徒歩約12分の場所に建っています。
台所坂と呼ばれる石段を上りきったところに高台寺の拝観受付があり、その近くには、ねねと秀吉のかわいらしい像が置かれています。
後ろには、ピンク色のハート形の絵馬もたくさんかかっていますね。
高台寺の拝観料は600円です。
圓徳院との共通拝観券は900円なので、こちらがお得ですよ。
受付を済ませ、順路を進み湖月庵を過ぎると、遺芳庵が建っています。
遺芳庵は、島原の名妓・吉野太夫を偲んで建てたと伝えられている高台寺を代表する茶室です。
中には入れませんが、外から見る姿に味わい深いものを感じます。
吉野太夫と言えば、京都市北区の常照寺がゆかりのお寺として知られていますね。
境内の東に建つ方丈と北に建つ開山堂を結ぶ廊にあるのが観月台。
高台寺は、慶長11年(1606年)に豊臣秀吉の正室であった「ねね」が、秀吉の菩提を弔うために創建したお寺です。
ねねは、北政所(きたのまんどころ)とも呼ばれ、秀吉亡き後に出家し、後陽成天皇より高台院の号を賜りました。
当寺は、それにちなみ高台寺と名付けられたんですね。
ねねは、観月台から、亡き秀吉を偲び、月を眺めたと伝えられています。
開山堂をはさみ、両側に池を配した池泉回遊式庭園は、蓬莱式庭園と呼ばれています。
この庭園は、小堀遠州作と伝わっています。
庭園の西側には、力強い石組が置かれています。
そして、東側には、霊屋(おたまや)へと延びる臥龍廊(がりょうろう)と臥龍池があります。
臥龍池のほとりには、様々な植物が植えられており、四季折々の表情を見せてくれます。
私が拝観した時には、シャクナゲが咲き始めていましたよ。
秋の紅葉もきれいです。
霊屋から竹林
春の高台寺は、方丈前の庭園の枝垂れ桜が見どころです。
枝垂れ桜については、以下の記事で紹介していますので、ご覧になってください。
蓬莱式庭園を過ぎ、東の山を上って行きます。
その途中に建つのは霊屋です。
霊屋は、豊臣秀吉と北政所を祀る廟堂です。
中には、2人の像が安置されていますよ。
高台寺境内の最も高い所には、傘亭が建っています。
高台寺に住む北政所は、その周辺に茶湯坊主衆が4、5人おり、禅三昧の生活を送りながら、茶をたしなむことも多かったそうです。
傘亭は、高台寺創建当時から残る茶室です。
傘亭の南側に建つのは時雨亭(しぐれてい)。
こちらも、茶室で高台寺創建当時から残っている建物です。
北政所は、大坂夏の陣で炎上する大坂城をここ時雨亭から見たと伝えられています。
現在はビルが建ち並び、どこに大阪城があるのかわかりませんが、江戸時代初期なら、ここから大坂城が見えたのかもしれませんね。
時雨亭から目を下にやると、大きな霊山観音(りょうぜんかんのん)の背中が見えますよ。
大迫力の観音さまです。
時雨亭を見た後は、山を下ります。
途中、竹林を歩くのですが、冷気が漂いひんやりとしていました。
青々とした竹が無数に天に向かって伸びる景色に清々しさを感じましたよ。
高台寺は、新型コロナウイルスの影響のため、2020年5月6日まで本堂の参拝だけしかできなくなっています。
また、圓徳院も拝観休止となっています。
高台寺には、コロナ騒ぎが落ち着いてから拝観してください。
なお、高台寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。