初秋の称念寺に参拝・2017年

9月上旬。

京都市上京区の称念寺に参拝しました。

称念寺は、小さなお寺なのであまり人に知られていません。

京都市民でも、知らない人の方が圧倒的に多いでしょうから、海外から京都にお越しの方だと称念寺を知っている人は皆無に等しいでしょうね。

参道脇で長く伸びる松

市バス停「乾隆校前」で下車し、東に5分ほど歩くと、称念寺の山門の前に到着します。

山門

山門

山門を見るだけで、観光寺院でないのがわかります。

そういうこともあって、称念寺を訪れるのは今回が2回目です。

山門をくぐると、参道脇に横に長く伸びた松が植えられています。

参道脇の松

参道脇の松

とりあえず松は後にして本堂にお参りをしましょう。

本堂

本堂

本尊は、お内仏来迎仏阿弥陀像で、平安時代中期の恵心僧都作と伝えられています。

称念寺は浄土宗知恩院派のお寺で、慶長11年(1606年)に茨城県の土浦城主松平信吉が師僧の嶽誉(がくよ)上人のために建立したのが始まりです。

松平信吉の母は徳川家康の異父妹であり、当寺にお墓があります。

そのため、寺紋は徳川家の定紋の三つ葉葵となっています。

参道脇の横に長く伸びた松は、3代目住職の時に植えられたものです。

横から見た松

横から見た松

3代目住職はネコ好きだったのですが、この頃寺が貧窮しているにもかかわらず、飼い猫が美しい姫に化けてのんきに舞を舞っているのに激怒し寺から追い出しました。

すると数日後にそのネコが住職の夢枕に立ち、疎遠になっていた松平家との復縁を取り付けたことを告げます。

このおかげで称念寺は立派に再興し、以来、ネコの霊を手厚く守護してきたのだそうです。

そして、いつしか当寺は猫寺の愛称で親しまれるようになりました。

参道脇の松は、愛猫を偲び、伏した猫の姿になぞらえて植えられたものです。

松と山門

松と山門

横に長く伸びる松と言えば、西京区の善峯寺の遊龍の松が有名ですが、称念寺の松も立派なものです。

善峯寺の遊龍の松は天然記念物なので有名ですが、称念寺の松の方が元気があるように見えますね。

称念寺では、動物供養も行われており、墓地には動物合同供養塔もあります。

称念寺は、知る人が少ないお寺ですが、愛猫家には有名とのこと。

これからも愛猫家に親しまれながら、境内の松も大きくなっていくことでしょう。

なお、称念寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

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