秋は、友人や知人と一緒に賑やかに紅葉狩りをするのも良いですが、ひとりでしんみりと、この時期ならではのもの悲しさを味わうのも良いものです。
京都市内で秋のしみじみとした情緒を感じられるのは右京区の嵯峨野です。
その中でも、檀林寺、滝口寺、祇王寺は、特にしんみりとした雰囲気がある紅葉の名所です。
檀林寺
檀林寺、滝口寺、祇王寺は、近接して建っています。
京都駅からJRに乗車し嵯峨嵐山駅で降りた後、北西に15分から20分ほど歩けば小倉山のふもとに到着します。
その近くに3寺が密集して建っています。
最初は檀林寺に参拝しましょう。
檀林寺は、それほど境内が広いわけではありませんが、建物が少ないので割と開放感があります。
境内全体に多くのカエデが植えられているので、一面が赤色やオレンジ色に染まります。
紅葉が見ごろを過ぎかけた頃には、地面に多くの敷き紅葉を見ることができます。
秋のもの悲しさを感じる情緒的な風景ですね。
また、檀林寺は本堂に多くの寺宝が展示されています。
これらの寺宝は、どれも貴重な物なので、参拝時にはしっかりと見ておきたいですね。
なお、檀林寺の拝観料は400円です。
滝口寺
檀林寺の次は、西に少し歩き、滝口寺と祇王寺に向かいます。
祇王寺は後に回し、滝口寺から先に参拝しましょう。
滝口寺の山門をくぐったら、山を登りながら紅葉を観賞します。
そして、山の中腹まで来ると、そこには本堂だけが建っています。
本堂に入ってお参りでき、その縁側に座って境内を眺めることもできます。
滝口寺は、紅葉の時期にしては、意外と人が少ないのが良いですね。
山の中腹であることから、周囲に何もなく、ひとりでしんみりと紅葉を観賞するのにおすすめです。
拝観案内の滝口入道と横笛の悲恋を読みながら紅葉を見ると、さらにもの悲しい気分にひたれますよ。
なお、滝口寺の拝観料は300円です。
祇王寺
滝口寺を出たら、お隣の祇王寺に入りましょう。
祇王寺は境内の一面に苔が敷かれています。
そして、カエデの木も多く植えられていることから、秋になると、上はオレンジ色、下は緑色の空間ができあがります。
紅葉が進み、モミジが多く散った苔にも情緒を感じます。
境内には、小さな草庵があり、その中には虹の窓と呼ばれる吉野窓が設けられています。
虹の窓越しに見る境内も味わい深いので見ておきたいですが、混雑して見られない場合もあります。
祇王寺は、平清盛に仕えた白拍子の祇王が隠棲した地であり、その経緯を知っていると、よりしみじみとした紅葉を楽しめますよ。
境内には、平清盛や祇王の供養塔もあり、平家物語の世界に浸ることもできます。
近年、観光客や旅行者の数が増えていますが、紅葉が散り始める頃に訪れると、少々人が多くても、秋のもの悲しい雰囲気を感じられます。
なお、祇王寺の拝観料は300円です。
檀林寺、滝口寺、祇王寺はどこも30分程度で参拝できます。
京都駅と嵯峨嵐山駅の往復が40分、嵯峨嵐山駅と3寺の往復が40分、昼食に1時間とすれば、所要時間は4時間です。
時間が余った場合には、祇王寺から20分ほど東に歩いて大覚寺を拝観すると良いでしょう。
祇王寺では大覚寺との共通拝観券を600円で置いていますから、滝口寺の参拝後に時間がありそうなら共通拝観券を購入するのがおすすめです。
また、大覚寺まで行く時間がないけども少しだけ時間がある場合は、近くの二尊院に参拝するのも良いですね。