京都市左京区の吉田山には、吉田神社という大きな神社が建っています。
吉田神社が大きいので、あまり目立たないのですが、その南側にも宗忠神社という立派な神社が建っています。
山上の神井戸
宗忠神社は、黒住教の教祖である黒住宗忠を祀っている神社です。
黒住宗忠は、文化11年(1814年)の冬至の日、日の出を拝んでいる時に天命直授という神人一体の霊感を得たとか。
何か神懸かり的なものを感じますね。
宗忠神社を創建したのは、教祖の黒住宗忠ではありません。
黒住宗忠は嘉永3年(1850年)に亡くなり、その後、高弟の一人である赤木忠春が、宗忠大明神を祭神として、文久2年(1862年)に社殿を創建しました。
この赤木忠春にも変わった伝説が残っています。
神社が創建されて間もなく、境内に井戸を掘ることになったのですが、宗忠神社は山上に建っているため、水が湧き出ることを期待できませんでした。
なので、人夫も掘ってはみるが、水は出ないだろうと赤木忠春に言います。
忠春は、とにかく30尺ほど掘ってみるように命じ、人夫もそれに従い掘りましたが、予想通り水は湧き出ません。
そこで、忠春は人夫に明日の朝、再び、井戸を見に来るように言います。
そして、忠春は、その夜、神前に供えた御神水を井戸に注ぎ、一心に祈りました。
翌朝、再び神社に訪れた人夫が井戸に向かって、石を投げ込んでみると水が湧き出す音がしてきたそうです。
その時の井戸は、今も宗忠神社の境内にあります。
この井戸は、神井戸と呼ばれ、御神慮にかなわないことが起こると濁ると伝えられています。
黒住宗忠も赤木忠春も何か不思議な力を備えていたようですね。
また、宗忠神社は、春になると桜がきれいに咲きます。
特に本殿に向かう参道の桜のトンネルは、見事です。
「京都人による京都案内」さんの宗忠神社の桜の記事では、その桜のトンネルの写真が掲載されています。
写真を見ていると実際に桜のトンネルを歩きたくなりますね。
宗忠神社の周辺には、吉田神社の他に金戒光明寺や真如堂などたくさんの観光名所がありますので、春の桜の季節には、宗忠神社と一緒にこれらの観光名所にも訪れてみてはいかがですか。
なお、宗忠神社の詳細は以下のページを参考にしてみてください。