11月中旬に京都市東山区の円山公園に紅葉を見に行った後、安養寺に参拝しました。
安養寺に立ち寄る予定はなかったのですが、外から真っ赤に色づいたモミジが見えたのでお参りしていくことに。
本堂にお参り
安養寺は、京阪電車の祇園四条駅から四条通を東に歩き、八坂神社の境内を横切り円山公園の奥まで行ったところに建っています。
駅からは徒歩約15分ですね。
境内は、お城のような石垣に囲まれ、中央に石段が設けられています。
その入り口には、「法然 親鸞 両上人御旧跡吉水草庵 慈圓山安養寺」と刻まれた立派な石碑。

入り口
山号の「慈円山」の「慈」を外し、円山として親しまれ、それが円山公園の名称のもとになったとか。
山門をくぐり石段を上ります。

石段
石段脇のカエデは、まだ青葉が目立ち、かすかに紅葉し始めている状態。
石段を上り切った先に本堂が建っているのでお参りをしましょう。

本堂
堂内に入れるようになっていたので、中でお参りすることに。
壁には、安養寺の説明や写真などが貼られており、当寺がどのようなお寺であるのかが参拝者にわかるようになっていましたよ。
安養寺は、延暦年間(782-806年)に桓武天皇の勅願で最澄が創建したと伝えられています。
その後、建久年間(1190-1199年)に愚管抄を著わした慈円(慈鎮)が中興し、安養寺と称するようになり、至徳年間(1384-1387年)に国阿上人によって再興され、天台宗から時宗に改まります。
本堂の北側には、「南無阿弥陀仏」と刻まれた石碑。

南無阿弥陀仏
当地は、浄土宗の開祖法然上人が吉水草庵を結んだ地としても知られ、浄土真宗の開祖の親鸞聖人も法然上人に教えを請うために訪れています。
それゆえ、念仏発祥の地とされているんですね。
南無阿弥陀仏の石碑の近くには、たくさんのお地蔵さまがいらっしゃいました。

石仏群
お地蔵さまの隣にも石仏。

石仏
阿弥陀さまでしょうか。
1本だけ見頃の紅葉
本堂の南側に1本だけ紅葉が見ごろを迎えたカエデがあり、これが外から見えたものです。

本堂と紅葉
杉の木が邪魔になっているので、場所を変えて紅葉を眺めましょう。
石段を少し下りたところで南の開けた場所に入ると、紅葉を正面から見上げられました。

見ごろの紅葉
木の中ほどから上の葉は、全て真っ赤。
まさに目の覚めるような赤色。
山の中腹なので気温がやや低く、そして、日当たりも良いため、このカエデだけが一足早く紅葉したようです。
石段に戻って本堂と一緒に眺める紅葉も、晩秋の山寺のような雰囲気が出て味わい深いですね。

見上げる本堂と紅葉
あまり知られていないお寺なので、境内に入ってくる人もほとんどいません。
たまに海外からお越しの方が興味を持って入ってくることがありましたが、すぐに境内から出ていく人ばかりだったため、無人に近い状態。
ただ真紅のモミジを眺めているだけで、静まり返った境内と心が同期し、気持ちが穏やかになっていくようであります。
かつて、六阿弥と呼ばれた宿があり、遊覧酒宴の地だったとは想像できない静寂の空間でしたよ。
石段を下り境内の外へ。
高い塀越しに先ほどの紅葉をもう一度見上げて安養寺を後にしました。

塀越しに見る紅葉
安養寺の紅葉は、1本のカエデだけ見ごろで、それ以外はまだ色づき始めでした。
境内全体で紅葉が見ごろを迎えるのは、11月21日以降になるのではないでしょうか。
なお、安養寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。