芸事上達のご利益を授けてくれる神さまと言えば、弁財天です。
弁財天は、他にも財運や金運、除災など様々な現世利益があるので、初詣の際には、弁財天が祀られている社に参拝しておきたいところです。
また、弁財天は、ヘビの姿をしていることもあるので、巳年には積極的にお参りしたいですね。
ということで、今回の記事では、弁財天が祀られている寺社をいくつか詳細します。
出町妙音堂
京都市上京区の出町妙音堂には、青龍妙音弁財天画像が本尊として祀られています。
京阪電車の出町柳駅から西に5分ほど歩いた辺りに建っています。
出町妙音堂は、あまり広くはありませんが、京都七福神めぐり、京洛七福神めぐりの弁財天となっているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
白雲神社
京都御苑内に建つ白雲神社は、「御所の弁天さん」と呼ばれているように祭神として妙音弁財天を祀っています。
創建は、元仁年間(1224-1225年)で、西園寺公経が北山殿造営の際に建立した妙音堂が始まりです。
後に西園寺邸の移転に伴い現在地に移り、明治時代に西園寺家が東京に移転した後は、妙音堂から白雲神社に改称されました。
相国寺
京都市上京区の相国寺には、鐘楼の西側に弁財天が祀られています。
この弁財天は、延宝4年(1676年)9月に京都御苑内の久邇宮邸にその守護神として祀られていたものです。
明治13年(1880年)に宮家が東京に移転した際、相国寺に寄進され同18年に移建されました。
頭に宇賀神を頂く弁財天で穀物の神が転じ福の神とし、芸能の神として広く信仰を集めてきました。
平成19年(2007年)に京都府指定有形文化財に指定され、同25年に解体修復が行われています。
宮家に祀られていた弁財天ですから、何か高貴な感じがしますね。
神泉苑
京都市中京区の神泉苑には、弁天堂と本堂に弁財天が祀られています。
弁天堂に祀られている弁財天は、開運守護の増運弁財天です。
江戸時代から境内にある池のほとりに祀られていた水神で、諸芸上達、福徳円満のご利益を授けてくれると信仰されています。
また、本堂に祀られている弁財天は、秘仏の宇賀弁財天です。
智恵、福徳、財宝、弁舌向上をもたらす護法神で、8本の手に持った弓や剣などの武器で、諸魔と戦い、あらゆる災厄を除き、悟りへと導いてくれると信仰されています。
壬生寺
京都市中京区の新撰組と縁のある壬生寺(みぶでら)には、阿弥陀堂の隣に弁財天を祀る弁天堂が建っています。
創建年代は不祥ですが、記録から江戸時代中期には存在していたと考えられています。
現在の弁天堂は、明治27年(1894年)の再建です。
創建当初は境内の西北の池のほとりにありましたが、戦後に現在地に移転しています。
本尊の弁財天は、弘法大師作と伝えられている秘仏で、清水寺の延命院から移された厨子(ずし)入りの塑像です。
本来、池のほとりに祀られていたことから、水神として信仰されるとともに壬生寺の鎮守とされていました。
その後、近世になって庶民信仰と結びつき、蓄財や子孫繁栄にご利益があるといわれるようになります。
また、弁財天の向かって左に妲己尼天(だきにてん)、右側に稲荷明神が、その守護神として祀られています。
天性寺
京都市中京区の寺町通沿いに建つ天性寺(てんしょうじ)には、弁天堂に天河弁財天が祀られています。
当寺の鎮守として、大和天河弁財天を分祀したもので、神像の天河大弁財天女尊は、宇賀神弁財天であり、宇賀神王という龍神と八臂(はっぴ)の弁財天が一体になった神仏習合の神さまです。
諸願成就のご利益を授けてくれ、また、痣(あざ)のない子を授かると言い伝えられていることから、多くの若い夫婦が参拝しています。
三千院
京都市左京区の大原に建つ三千院の境内には、弁財天の像が祀られています。
三千院の弁財天は、妙音福寿大弁財天というそうで、京の七福神めぐりの弁財天となっています。
多くの弁財天がお堂の中に祀られているのですが、三千院の弁財天は、外に立っています。
曼殊院
京都市左京区の修学院近くに建つ曼殊院にも弁財天が祀られています。
祀られているのは、曼殊院の境内の外の池のほとりです。
曼殊院は拝観料が必要ですが、弁天堂へのお参りには拝観料は必要ありません。
六波羅蜜寺
京都市東山区の六波羅蜜寺は、都七福神めぐりの弁財天となっており、本堂の脇に弁天堂が建っています。
なかなか立派な弁天堂ですね。
また、本堂の北側のお堂には、銭洗弁財天が祀られています。
銭洗弁財天の水で清めたお金をお守り袋に入れて、お金を蓄えている所に一緒に保管しておくとお金が貯まると伝えられていますよ。
円山弁天堂
京都市東山区の円山公園の奥には、円山弁天堂が建っています。
琵琶法師の源照が、弁財天に技芸上達を祈願したところ、琵琶の上手となり、後小松法皇から盲人で初めて紫衣を賜ったことから、そのお礼に現在地にお堂を建てたそうです。
この話を聞くと、何か習い事をされている方がお参りをすると、ご利益がありそうですね。
戒光寺
京都市東山区の泉山(せんざん)に建つ戒光寺は、高さ5.4メートルの丈六の仏像が祀られていることで知られていますが、境内の弁天堂には、弁財天も祀られています。
泉山七福神の弁財天となっており、祀られている弁財天像は最澄の作と伝わっています。
養源院
京都市東山区の血天井で有名な養源院にも弁財天が祀られています。
山門を入ったすぐ右側に弁天堂が建っていますが、参拝者は気付いていない人が多いようで、お参りをせずに本堂に向かいますね。
本圀寺
京都市山科区の本圀寺には、鳥居がピカピカの金色に輝いている弁天堂に九頭龍銭洗弁財天(くずりゅうぜにあらいべんざいてん)が祀られています。
金色の鳥居を見るだけで、財運のご利益を授けてくれそうな気がしますね。
長建寺
京都市伏見区に建つ長建寺にも弁財天が祀られています。
元禄12年(1699年)に建部政宇(たつべまさのき)が、中書島(ちゅうしょじま)の開拓にあたり、即成就院(そくじょうじゅいん)の塔頭(たっちゅう)であった多聞院(たもんいん)を当地に移し、弁財天を祀ったのが、当寺の起こりです。
地元では、「島の弁天さん」の愛称で親しまれています。
以上、弁財天が祀られている寺社をいくつか紹介しました。
この他にも弁財天が祀られているところはあるでしょうが、思い出すことができませんでした。
とりあえず、弁財天にお参りをしようと思うなら、七福神めぐりになっているところを選ぶと良いでしょう。