11月下旬に京都市東山区の智積院(ちしゃくいん)に参拝しました。
智積院は、真言宗智山派の総本山で東山七条の地に広々とした境内を有しています。
カエデが多く植わっていることから、晩秋には紅葉を見られるのですが、訪れる人は少なめ。
そのため、落ち着いて紅葉狩りを楽しめます。
境内全体でモミジが真っ赤
京阪電車の七条駅から七条通を東に約7分歩くと、正面に大寺院を思わせる立派な門が見えてきます。
これは智積院の総門。
参拝者はくぐれないため、少し南に歩き自動車も通れる広い入口から境内に入ります。
市バス停「東山七条」からだと、下車してすぐですね。
境内は、思っていたより人が多め。
総門に11月28日から12月7日までJR東海の夜間貸切特別拝観の案内が出ていたため、その影響かもしれません。
同社のウェブサイトでも、智積院が紹介されていましたから、いつもより人が増えた可能性もあります。
それでも、混雑するほどの人出ではなく、これまでのように落ち着いて境内を歩けそうです。
参道を東に歩きます。
両脇には笠を被った提灯が等間隔に並び、真っ赤に色づいたモミジに和の風情を与えていました。

提灯と紅葉
この提灯は、ライトアップ用なのでしょうね。
夜間拝観も、情緒たっぷりの紅葉を見られるのではないでしょうか。
参道を進みます。
正面に建つ立派な建物は金堂。

金堂と紅葉
参道脇の紅葉は散り始めているものも見られましたが、全身真っ赤で見ごろを保っています。
散り始めのモミジは、鮮やかな赤色となるので、この頃が最も美しく感じられますね。
それでは、金堂前の階段を上り、金色の大日さまにお参りしましょう。
金堂内に入ってお参りすることもできますから、初めて訪れる方はぜひ堂内でゆっくり大日さまを拝んでください。
金堂の北側に植わるカエデも真紅の装い。

金堂脇の紅葉
曇り空から落ちる弱い日射しが少しばかりモミジを輝かせ、透き通るような赤色に見せてくれています。
金堂の裏側の梅林にも、ちょっとだけカエデが植わり紅葉していましたが、ここはあまり見栄えが良くありません。
でも、そこから西に視線を向けると、いたるところにモミジが見え、まるで境内全体が紅葉しているような赤色の世界となっていました。

紅葉する境内
金堂の横は人が少なく落ち着きがあります。
遠くから宙を伝わる参拝者の声も、どこかで鳥が鳴いている程度にしか聞こえず心を乱されません。
完全に自分の世界に入って紅葉を見渡していましたよ。
散りゆくモミジ
金堂の前に戻り、ここから南東に延びる参道を歩きます。
この参道は、智積院の中でも、モミジが特にきれいな赤色になります。

参道脇の紅葉
雲が多い空でしたが、ここまで赤く色づくと薄暗さを感じません。
見ごろを迎えた紅葉は、曇り空の下だとしっとりして見えます。
晩秋のしみじみとした趣を感じたいなら、曇りの日に紅葉狩りをするのが良いですね。
鐘楼堂の周囲の紅葉も見ごろ。

紅葉と鐘楼堂
日射しが悪い所は、まだ青葉が残っていましたが、もうほとんどのカエデが真っ赤。
他の参拝者の方々も、あまりの赤さにどの木を背景に記念撮影しようとかと迷っているようでしたよ。
なんともぜいたくな悩みであります。
イチョウは、多くの葉を散らし、足元には金色の絨毯ができあがっていました。

イチョウの絨毯
踏み入れると、足がずぼっと沈むのではないかと思えるほど、扇形の葉が無数に降り積もっています。
イチョウの絨毯に坐って記念撮影をしている方もいますね。
カエデも、早くに紅葉した木はたくさんのモミジを落とし、地面に散り紅葉を作っています。

散り紅葉
それでも、枝には多くのモミジが残り、まだまだ見ごろを保っていました。
良い時期に紅葉を見ることができましたね。
鐘楼堂の南側では、カエデに混ざってモミジバフウも黄葉。

モミジバフウとカエデ
境内のモミジバフウは、この1本だけでしょうか。
カエデに混ぜてさりげなくモミジバフウを植えているのが粋な計らいじゃないですか。
鐘楼堂から参道を西に歩き、入り口付近に戻って来ました。
ここのカエデも、真っ赤に色づき紅葉が見ごろです。
石畳と一緒に見る紅葉は、海外からお越しの方に人気がありそうですね。

石畳と紅葉
以前は、智積院会館が近くにあって、日射しが当たらずいまいちの色付きでした。
でも、智積院会館が南に移動したため、以前より日当たりが良くなり、このような真っ赤なモミジを見られるようになっています。
境内から出る前にこの参道の紅葉もしっかり見ておきたいですね。
智積院の紅葉は散り始めていましたが、まだ見ごろを保っていました。
11月下旬の様子だと、見ごろは12月5日頃までは続きそうです。
なお、智積院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。