善法律寺の梅雨の風景と御庭ノ水・2020年

6月中旬に京都府八幡市の石清水八幡宮にアジサイを見に行った後、男山から下りて、善法律寺(ぜんぽうりつじ)に参拝しました。

善法律寺は、八幡市の紅葉寺として親しまれており、境内には多くのカエデが植えられています。

そのため、初夏から梅雨にかけては青葉が美しく、特に梅雨の時期は、しっとりとした緑色の景色を見ることができます。

緑色の境内

善法律寺には、京阪電車の石清水八幡宮駅から、南に15分ほど歩くと到着します。

山門前のカエデが青々としています。

山門

山門

山門をくぐると、クチナシが白色の花をたくさん咲かせていました。

クチナシ

クチナシ

雨が降ったばかりということもあり、地面のコケもみずみずしいです。

石畳と苔

石畳と苔

アジサイが、隠れるように咲いていました。

アジサイ

アジサイ

善法律寺で見たアジサイは、この1つだけで、他には見当たりませんでした。

カエデの青葉の奥に建つ本堂にお参りをしましょう。

本堂

本堂

善法律寺は、正嘉年間(1257-1259年)に検校(けんぎょう)の善法寺宮清(ぜんぽうじきゅうせい)が、東大寺の実相上人を開山として建立しました。

室町時代には、宮清の曾孫の良子が足利義満の母であったことから、足利家の信仰を集めます。

義満をはじめ、歴代の足利将軍も参詣しているそうです。

本堂には、石清水八幡宮に奉安されていた八幡大菩薩が本尊として祀られています。

厄除開運、家内安全などの霊験あらたかとのこと。

本堂の前から振り返ると、境内は、緑色に包まれていました。

本堂から見る境内

本堂から見る境内

梅雨らしく、しっとりとした緑色であります。

善法律寺の背後にそびえる男山。

男山

男山

男山も緑がいっぱいです。

御庭ノ水

境内の南側にやってきました。

小さな建物の中には、御庭ノ水と呼ばれる井戸があります。

御庭ノ水

御庭ノ水

善法律寺は、善法寺家の邸宅に創建されたと伝えられていますが、善法寺家の庭園に創建されたとも言われています。

この井戸は、近代まで善法寺家(菊大路家)が所有し、昭和30年代頃までは、近隣に飲水として開放されていたそうです。

近くの説明書によると、善法寺家の邸宅の南には茶畑町があり、また、善法寺家の荘園があった摂津国能勢木代庄の住人によって、宮中や将軍家に能勢餅(亥の子餅)が毎年、献上されていたとのこと。

茶道を庇護した足利義満と姻戚関係にあった善法寺家の往時を偲ぶ数少ない遺跡が、御庭ノ水だそうです。

井戸を覗いてみると、水が濁っていました。

井戸の中

井戸の中

今は飲めそうにないですね。

御庭ノ水は、老朽化が進み、飲用もされなくなりましたが、平成28年(2016年)9月に井戸屋形を改修し、再興の端緒としたそうです。

御庭ノ水の近くには、代わった灯籠が立っています。

灯籠

灯籠

灯籠の近くの木々の葉も、梅雨のためか、生き生きとして見えましたよ。

この後は、正法寺を訪れました。

なお、善法律寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。