11月下旬に京都市東山区の智積院に紅葉を見に行った後、北隣に建つ妙法院に参拝しました。
妙法院は、三千院と青蓮院(しょうれんいん)とともに天台宗の三門跡寺院に数えられる格式の高いお寺。
でも、三千院と青蓮院は拝観料が必要ですが、妙法院は誰でもお参りできるので、他の2つよりも身近に感じられます。
晩秋の妙法院は、境内に植えられているカエデが紅葉し、門跡寺院らしい品のある紅葉を観賞できます。
見ごろを迎えた紅葉
妙法院は、京阪電車の七条駅から北東に徒歩約8分の場所に建っています。
市バスだと「東山七条」から北に少し歩けば、入り口の表門前に到着します。
表門をくぐると、正面に庫裏(くり)があります。
庫裏の南側にある大玄関わきのカエデは、真っ赤に色づいていました。
まさに紅葉が見ごろであります。
しかも、鮮やかな赤色で、モミジに透明感があります。
妙法院の紅葉と言えば、婆沙羅大名の佐々木道誉(ささきどうよ)を思い出します。
その子の秀綱は、鷹狩の帰りに妙法院の紅葉の枝を折り、お坊さんにとがめられました。
それを聞いた道誉は、兵を率いて妙法院を焼き討ちしてしまったのです。
私が妙法院を訪れた時、海外からお越しのグループも境内にいらっしゃいました。
紅葉の時期でも、妙法院を訪れる日本人は、とても少ないのですが、なかなか京都通な方たちですね。
大玄関を南に歩くと唐門があり、その近くの紅葉がきれいです。
でも、海外のグループが、その紅葉を観賞中だったため、後回しにすることに。
唐門から東に参道を歩きます。
東に向かう参道の入り口にあるカエデも、真紅に染まっていました。
参道の東奥には、本堂の普賢堂が建っています。
本堂の前には、赤色のモミジとオレンジ色のモミジ。
どちらも、色は違いますが発色が鮮やかです。
それでは、本堂にお参りをしましょう。
本堂から振り返ると、先ほどのオレンジ色のモミジ。
赤色のモミジもきれいですが、オレンジ色のモミジも良いものです。
本堂の北には、庭園があり、そこのカエデも紅葉が見ごろとなっていました。
ちなみに庭園に入ることはできません。
なので、外から遠めに紅葉を見るだけです。
境内の南側の塀近くにも、カエデが多く植えられています。
塀際の紅葉も見ごろを迎えており、外からでも、塀越しにこの紅葉を見ることができます。
11月に妙法院に参拝した人の中には、道路からこの紅葉をたまたま見て立ち寄ってみようと思った人もいるはずです。
真っ赤なモミジの奥に見える大きな建物は、宸殿(しんでん)です。
宸殿は、門跡寺院特有の建物なので、お寺ならどこでも見られるわけではありません。
門跡寺院とは、代々皇族関係者が住職をつとめてきた寺院のことで、それゆえに格式が高いと言われています。
そう説明された後に宸殿と一緒に紅葉を見ると、品があるように感じませんか。
参道を西に戻ります。
西向きに見る唐門と紅葉もきれいです。
この日は、曇り空でしたが、妙法院のモミジは透明感があったので、赤色が鮮やかに見えました。
文久3年(1863年)の八月十八日の政変後、長州系公卿7人が長州に落ちのびた、いわゆる七卿落ちの舞台となったのが、ここ妙法院です。
境内の一角には、七卿碑が立ち、その周囲の紅葉も見ごろを迎えていました。
表門近くに戻ってきました。
表門近くには休憩所があり、中から見る紅葉もきれいですよ。
私も妙法院から出る前に休ませていただきました。
妙法院の紅葉は、11月いっぱいは楽しめそうです。
でも、雨が降ったり、強い風が吹いたりするとモミジが散ってしまうかもしれませんから早めに参拝した方が良いでしょう。
この後は、大谷本廟に紅葉を見に行きます。
なお、妙法院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。