2月中旬に京都市右京区の仁和寺で行われている金堂と経蔵の特別公開を見た後、境内を散策しました。
仁和寺は世界遺産に登録されている真言宗の寺院なのですが、境内に入るだけなら拝観料は必要ありません。
桜が咲く時期や御殿の拝観には、拝観料が必要ですけどね。
寛永年間に再建された諸堂
仁和寺には、京福電車の御室仁和寺駅から北に徒歩約3分で到着します。
仁和寺の入り口には、大きな二王門が建っています。
二王門の高さは18.7メートル。
重層、入母屋造、瓦葺の二王門は、知恩院の三門、南禅寺の三門とともに京の三大門のひとつに数えられています。
門の左右には、阿吽の二王像が立っています。
ゆえに二王門と言うんですね。
こちらは、口を閉じた吽形(うんぎょう)の二王像です。
二王門をくぐり、まっすぐ北に進むと朱色の中門が建っています。
先ほどの二王門もそうですが、中門は重要文化財に指定されています。
切妻造、本瓦葺の中門の左側には多聞天、右側には持国天が祀られています。
中門をすぐにくぐってしまう方が多いですが、多聞天と持国天もしっかりと見ておきたいですね。
中門をくぐり、まっすぐ北に進むと金堂があります。
その金堂から西に進み、鐘楼を過ぎたところに御影堂(みえどう)中門が建っています。
この御影堂中門も重要文化財です。
御影堂門の先に建つのは、弘法大師像、宇多法皇像、仁和寺第2世性信親王像を安置する御影堂です。
御影堂も重要文化財で、寛永年間(1624-1644年)に再建されています。
中に入ってお参りできますよ。
御影堂中門の南側では、赤色の椿の花が咲いていました。
御影堂にお参りをした後は、境内の東へ歩きます。
仁和寺の境内には、五重塔が建っています。
五重塔は寛永21年(1644年)に建立されました。
高さは32.7メートルで、重要文化財に指定されています。
冬は周囲の木々に葉がないため、五重塔の全景を見やすくなっています。
これも、冬の京都観光の魅力のひとつですね。
京都市には五重塔が4つあるのですが、ここ仁和寺の五重塔と伏見区の醍醐寺の五重塔は、自然の中に建っている感じが心を和やかにしてくれます。
五重塔の北東には、九所明神が祀られています。
仁和寺の伽藍を守る鎮守として寛永年間に創建されました。
その名のとおり、本殿に八幡三所、東側の左殿に稲荷大明神、牛頭天王(ごずてんのう)、日吉大明神、上賀茂と下鴨、西側の右殿に松尾大明神、平野大明神、小日吉大明神、木野嶋天神(このしまてんじん)の9ヶ所の神社の神さまが祀られています。
これだけたくさんの神さまがいらっしゃるのですから、どのようなお願いも聞いてもらえそうですね。
境内の中央の参道に戻ってきました。
4月中旬に真っ白な花を咲かせる御室桜(おむろざくら)は、どれも枝だけの状態。
御室桜の奥には、最近まで工事が行われていた観音堂が建っています。
観音堂は、2019年5月15日から7月15日まで特別公開されるそうですよ。
特別公開は秋にも予定されています。
仁和寺の境内は広く、そして周囲に近代的な建物がないので、とても開放感があります。
特に冬は、旅行者や観光客の方が少ないので、のんびりと境内を歩くことができます。
門跡寺院の雅さだけでなく、のどかな風景も楽しみたい方は、ぜひ仁和寺に参拝してください。
なお、仁和寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。