誠心院にある和泉式部の宝篋印塔

2月中旬に京都市中京区に建つ誠心院に参拝しました。

誠心院は、お土産物屋さんが軒を連ねる新京極通にあるので、京都観光の際に立ち寄るのが便利なお寺です。

でも、誠心院を知る人は多くないようで、お参りをしている人を見かけることがあまりないですね。

和泉式部の墓所と伝わる宝篋印塔

誠心院の最寄り駅は、阪急電車の河原町駅です。

駅からは、北西に徒歩約10分です。

買い物客でにぎわう新京極通を歩き、誠心院の入り口の前にやってきました。

入り口

入り口

入り口は、ビルに挟まれていて狭いです。

誠心院にお参りをする人が少ないのは、これも原因なのでしょうね。

入り口には、鈴成り輪(ぐるま)があります。

鈴成り輪

鈴成り輪

お願いをしながら車を回します。

境内に入る前には、車を回しておきたいですね。

山門をくぐると正面に小御堂(こみどう)と呼ばれる本堂が建っています。

本堂

本堂

中には、本尊として阿弥陀如来像が祀られており、平安時代の女流歌人の和泉式部と藤原道長の像も安置されています。

それでは、お参りをしましょう。

本堂の前には、水かけの行者さんがいらっしゃるので、こちらにも水をかけてお参りをしておきましょう。

水かけの行者さん

水かけの行者さん

誠心院は、藤原道長が娘の上東門院彰子(じょうとうもんいんしょうし)に仕えていた和泉式部のために建立したのが始まりとされています。

初代住職は、和泉式部です。

誠心院の説明書によると、和泉式部は、娘の小式部内侍(こしきぶのないし)に先立たれ、この世の無常を感じ「女人往生」のすべを求めて書写山円教寺の性空(しょうくう)上人を尋ねたそうです。

そして、誓願寺の本尊の阿弥陀如来の霊験を教えられ、四十八日のお籠りの末、「女人のみでも南無阿弥陀仏と一心にお唱えすれば、身の穢れも消えて往生できる」との教えを受けました。

その後も、誓願寺に参る以外は念仏三昧の日々を送り、その甲斐あって二十五菩薩に迎えられ弥陀の浄土へ往生したとされています。

以後、女人往生を願う人があれば、和泉式部が歌舞の菩薩とお迎えにきてくださるという信仰が盛んになったそうです。

ちなみに誓願寺は、現在、誠心院の少し北に建っています。

本堂の裏に回ると、和泉式部の墓所と伝わる宝篋印塔(ほうきょういんとう)があります。

和泉式部の宝篋印塔

和泉式部の宝篋印塔

この宝篋印塔は正和2年(1313年)に改修建立されたもので、高さ約4メートル、幅約2.4メートルあります。

以前は、境内の北西にあったのですが、いつの間にか本堂の東側に移されています。

後ろには、二十五菩薩像も祀られています。

宝篋印塔がある場所は、とても見晴らしが良く、新京極通特有のごちゃごちゃした感じがないですね。

本堂の北側には、式部千願観音という観音さまがいらっしゃいます。

式部千願観音

式部千願観音

表情がとても穏やかで、見ているだけで心が和んできます。

観光や旅行などで新京極に買い物をする機会があれば、誠心院にもお参りしてはいかがでしょうか。

なお、誠心院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

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