4月の京都は、どこも観光客でにぎわっているので、静かにお花見したいという方にとっては、積極的に出かけたいところではないかもしれません。
有名な観光名所は、どうしても人が多いんですよね。
でも、探してみれば、穴場とされる桜の名所はあるものです。
京都市左京区の叡山電車の二ノ瀬駅から徒歩7分の場所にある白龍園という庭園も、そのひとつですね。
1日100人限定の山の中の庭園
白龍園の拝観は、他と比べると少し敷居が高いです。
まず、観覧券を叡山電車の出町柳駅で、拝観当日に購入する必要があります。お値段は、1,300円と他の観光名所と比較すると2倍以上もします。
叡山電車の1日乗車券付きだと2,000円なので、こちらがお得です。
観覧券の発売は午前9時からです。
1日100人限定発売なので、できるだけ早い時間に行かなければ売り切れてしまう可能性があります。
私は午前9時30分に出町柳駅に行き、観覧券を購入できましたよ。
叡山電車に揺られながら、窓の外の景色を楽しんでいると、すぐに二ノ瀬駅に着きました。
乗車時間は30分程度でしょうか。
車窓からの眺めがきれいだったので、そんなに時間がかかったようには思いませんでしたよ。
二ノ瀬駅から出ると、山に囲まれた自然いっぱいの景色が広がります。
のどかであります。
ウグイスの鳴き声を聞きながら、白龍園までの約7分の道を歩いているだけでも、心が洗濯されるようです。
そして、白龍園の入口に到着です。
ソメイヨシノが満開。
満開の桜
白龍園に入ると、受付があり、そこで観覧券を提示すると、拝観案内をいただけます。
受付の方の話によると、ツツジが見ごろを迎えているとのこと。
桜とツツジが織りなす景色がどんななのか、期待が膨らみます。
受付から石段を上ると、そこには満開の桜と咲き始めたツツジの姿がありました。
青空の下で見る桜が、とても美しいです。
白龍園内には東屋が5つあり、その中で休憩しながら眺める桜も見事です。
白龍神社
白龍園内には、白龍神社という神社が建っています。
白龍神社に祀られているのは、商売繁盛のご利益を授けてくれる白髭大神と不老長寿のご利益を授けてくれる八大龍王です。
2神から1字ずつとって白龍園と名付けられたそうです。
庭園の方の話によると、白龍園は、子供服の製造をしている青野株式会社の創業者の方が、約50年前に開山し、25年かけて少しずつ庭園を造っていったそうです。
もともとは非公開の庭園で、取引先の方を招待するために使われていたそうですが、叡山電車から一般公開してみてはどうかという提案があったことから、春と秋に1日100人限定で一般の方でも観覧できるようになったとのこと。
白龍神社の奥には、朱色の橋が架かっており、その手前の石段は苔に覆われています。
苔の上に落ちた赤い椿の花が、趣がありますね。
山の上から見る桜とツツジ
白龍神社の近くにある石段を上り、庭園の一番高い場所へ。
そこにある福寿亭から、満開のソメイヨシノを見下ろします。
ツツジと一緒に見る桜がとても美しい。
白龍園に咲いているツツジは、どこかから持ってきたものではなく、全て自生しているものだそうです。
以前は、この辺りの山はツツジ山と呼ばれていたそうですよ。
私が白龍園に訪れたのは、4月11日でした。
ツツジは満開に近いものもありましたが、まだつぼみが多いものもありましたよ。
もう1週間ほど後に訪れれば、ツツジがもっとたくさんの花を咲かせているのではないでしょうか。
桜もきれいですが、満開のツツジも見てみたいですね。
福寿亭の近くから庭園を見下ろします。
奥に見える山、広がる青空。
近代的な建物が何もなく、山の中にいることを実感します。
散策に疲れたら東屋の中から庭園を眺めることができるので、いつまでも、庭園の景色を楽しむことができます。
龍吟亭の格子越しに見る景色も味がありますよ。
白龍神社の鳥居越しに見る桜も見事です。
春の日差しをいっぱい浴びたツツジの花。
さすが100人限定の庭園だけあって、園内は、とても静かでした。
10人程度の団体さんもいましたが、それくらいの人数だと、全然気になりません。
人が多い桜の名所も活気があっていいですが、普段、都会で暮らしている方なら、きっと白龍園のような山の中で見る桜を気に入ることでしょう。
晴れた日に訪れることができたので、桜とツツジを美しく観賞できました。
1年に数回は、白龍園のような自然いっぱいの空間で、のんびりとしたいものです。