道路工事で牛馬の喉の渇きを潤した亀の水不動

江戸時代中期に3年がかりで行われた東海道日ノ岡峠の改修工事は、木喰正善養阿(もくじきしょうぜんようあ)が心血を注いで行った事業です。

日ノ岡は、今の京都市山科区にあり、この辺りは、車の交通量が多いですね。

山科区には、木喰遺跡と呼ばれるものがいくつかあり、地下鉄御陵(みささぎ)駅から南の方に10分ほど歩いた辺りにひっそりと建つ亀の水不動もそのひとつです。

喉を潤す井戸水

下の写真に写っているのが亀の水不動です。

亀の水不動

亀の水不動

敷地内には入ることができません。

なので、離れたところからただ眺めるだけ。

この亀の水不動は、道路管理と休息所を兼ねて設けた梅香庵の跡です。

ここに井戸水を掘り当て、その水を亀の口より落として石水鉢に受けて、牛馬の喉の渇きを潤したということです。

また、道行く人々にも接待として湯茶が振る舞われたそうです。

そういったことが、石のカマドに刻まれた銘文に書かれていると、近くの説明書にはありました。

亀の水不動に近づくことができないので、実際に銘文を読めないのですが、そもそも石水鉢はここにはなく、なぜか本物は東京都内にあるということです。

ところで木喰正善養阿とはどのような人なのでしょうか。

詳しいことは調べてみてもあまりわからないのですが、江戸時代に道路工事や土木工事を行ったお坊さんで、京都では左京区の狸谷山不動院や東山区の安祥院と関わりがあります。

また、木喰というのは、真言宗における断食行で、木の実や草を食す苦行を行う僧のことをいいます。

現在、日ノ岡峠の交通はとても便利になっていますが、それは木喰正善養阿が江戸時代に道路工事を行ったおかげなのかもしれませんね。

亀の水不動を見るためにここまで来るのは、ちょっと時間がもったいないような気がします。

なので、亀の水不動を見た後は、周辺も散策すると良いでしょう。

亀の水不動のすぐ近くに建つ大乗寺は、スイフヨウがたくさん咲くことで知られています。

開花時期は、9月下旬ころから10月ですね。

なので、亀の水不動を見に行くときは、この時期がおすすめです。

他に御陵駅の近くには、天智天皇陵や本圀寺もあります。

天智天皇陵は、京都にある天皇陵の中では割と大きな天皇陵なので、見ごたえがあります。

本圀寺は、境内の色々なものが金色なので、とても豪華なお寺に見えますよ。

木喰遺跡は、他にもいろいろとあるようなので、また機会があれば探してみようと思います。



京都桜photo