京都に旅行や観光で訪れる方は、有名なお寺を拝観することが多いのではないでしょうか。
特に京都のお寺は、桜の名所や紅葉の名所となっているところが多いので、京都に訪れたら拝観が許されているお寺には参拝しておきたいですね。
でも、せっかくお寺に訪れたのなら、桜や紅葉だけでなく、建物もしっかりと見ておきたいところです。
しかし、お寺の建物がどういう役割を果たしているのか知らないと、拝観していても楽しくないですよね。
そこで、今回の記事では、少しでも楽しく拝観できるようにお寺の主要な建物を簡単に紹介します。
門
お寺に到着して、まず最初に目にするのが門です。
もともとお寺は、山の中に建てられていたことから、お寺の門は山門と呼ばれています。
門の名称については、仁王門、三門、勅使門などお寺によって異なっています。
下の写真に写っているのは、京都市右京区に建つ仁和寺の二王門です。
二王門の左右には、人の背よりも高い金剛力士像が立っています。
仏堂
お寺に必ず祀られているのが仏像です。
その仏像を安置している建物が仏堂です。
仏堂は、お寺によって本堂、阿弥陀堂、仏殿など様々な名称で呼ばれています。
お寺に訪れたら、まずは仏堂に参拝しておきましょう。
下の写真は、宇治市の平等院鳳凰堂です。
鳳凰堂には阿弥陀如来像が安置されています。
なので、鳳凰堂は、正式には阿弥陀堂といいます。
鐘楼
お寺でよく見かけるものに鐘があります。
その鐘を吊るしている建物が鐘楼(しょうろう)です。
鐘楼は、吊るしている鐘を突けるようにするため、壁がなく、吹き抜けとなっています。
下の写真は、日本三大梵鐘に数えられる知恩院の梵鐘を吊るした大鐘楼です。
知恩院の除夜の鐘は、17人の僧侶によって突かれます。
講堂
講堂は、住職が修行中の僧に講義を行う建物です。大きなお寺ではよく見ますが、小さなお寺だと建っていないことが多いですね。
禅寺では、法堂(はっとう)と呼ばれています。
下の写真は妙心寺の法堂です。
屋根が2つあることから、外から見ると2階建てのように見えますが、実は1階建ての建物です。
本物の屋根は2階部分のものです。1階にある屋根は飾りの屋根で裳階(もこし)と呼ばれています。
塔
五重塔や三重塔といった塔は、建っているお寺のほうが少ないのではないでしょうか。
塔の語源は、古代インドのサンスクリット語の「ストゥーパ」で、「卒塔婆(そとば)」という漢字があてられ、それが「塔」と省略されるようになりました。
ストゥーパは、釈迦の遺骨を納めた建物のことです。
下の写真に写っているのは、東寺の五重塔です。
東寺の五重塔には、仏舎利と呼ばれる釈迦の遺骨が安置されています。
宸殿
宸殿(しんでん)は、門跡寺院(もんぜきじいん)特有の建物です。
門跡寺院とは、皇族や公家の子弟が歴代住職をつとめた格式の高いお寺のことで、「宸」という字は、天皇を意味しています。
下の写真に写っているのは、山科区に建つ勧修寺(かじゅうじ)の宸殿です。
勧修寺の宸殿は、御所にあった建物を元禄10年(1697年)に明正天皇から下賜されたものです。
以上、お寺の建物のうち、主なものをいくつか紹介しました。
こういった建物の意味を知ってると、お寺の拝観の仕方が変わってきますよ。