親鸞ゆかりの御聖水が湧き出す本願寺北山別院

京都には、本願寺と関係のある場所がいくつかあります。

西本願寺や東本願寺はもちろんのこと、東山の大谷本廟(おおたにほんびょう)や大谷祖廟なども本願寺と関係がありますね。

本願寺と関係がある場所は、浄土真宗の開祖である親鸞ゆかりの地であることが多く、京都市左京区の一乗寺にある本願寺北山別院もそのひとつです。

親鸞が身を清めた御聖水

本願寺北山別院は、叡山電車の一乗寺駅から東に10分ほど歩いた辺りに建っています。

入り口には、「親鸞聖人御旧跡」と刻まれた石柱があります。

本願寺北山別院

本願寺北山別院

石段を上り、境内に入ると正面に本堂と思われる建物が建っています。

境内

境内

境内には、この建物がある程度です。

他には、隣に幼稚園かあるだけです。保育園かもしれません。

なので、特に何もないと思って、すぐに立ち去ってしまいそうになりますが、実は、親鸞聖人御旧跡というだけあって、境内には親鸞と深い関わりがある御聖水が湧き出しています。

御聖水は、境内の北側の一角に池のように溜まっています。

案内の矢印があるので、迷うことはないでしょう。

御聖水

御聖水

御聖水は、建仁元年(1201年)に親鸞が百日参籠の際に身を清めた湧水と伝えられています。

この頃、親鸞は、比叡山で修行をしていましたが、夜は、100日間、比叡山から中京区の六角堂の救世観音(ぐぜかんのん)にお参りをしていました。

その途中、彼は、この御聖水で身を清めたそうです。

北山別院は、比叡山と六角堂の中間に位置していることから、百日参籠の休憩にちょうど良い場所だったことでしょう。

親鸞が参籠すること95日目。

彼の夢枕に救世観音が現れ、東山の吉水にいる法然を訪ねよというお告げを受けます。

そのお告げ通り、親鸞は吉水に法然を訪ねて弟子となりました。

現在、御聖水の周囲には柵がめぐらされているので、腕を浸したり、汲んだりすることはできません。

それにしても800年以上も枯渇することなく、こんこんと御聖水が湧き出しているというのは驚きですね。

ちなみに本願寺北山別院から北に1.5kmほど行くと、音羽川という川沿いに親鸞が百日参籠の際に通った雲母坂(きららざか)があります。

本願寺北山別院に訪れる際には、雲母坂の入り口にも行ってみると良いでしょう。

雲母坂については、以下の過去記事で紹介していますので、ご覧になってください。

なお、本願寺北山別院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。