千本通を今出川から北上して6つのお寺を訪れる

京都市上京区には、北野天満宮という学問の神様の菅原道真を祀った有名な神社が建っています。

北野天満宮は、合格祈願に訪れる方や梅苑に訪れる方で賑わっていますが、参拝者の方を見ていると、神社を出て、すぐに市バスに乗って帰ってしまっているように思えます。

これは、ちょっともったいないですね。

なぜなら、北野天満宮付近には、一度は訪れておきたいお寺がたくさんあるからです。

そこで、今回は、北野天満宮から東に500メートルほど歩いた千本今出川の交差点から北上すると訪れることができる6つのお寺を紹介したいと思います。

1.浄土院

千本今出川の交差点に到着して、まず最初に訪れることができるのが浄土院です。

浄土院

浄土院

浄土院は、別名、「湯たくさん茶くれん寺」といいます。

名前の由来は、豊臣秀吉がお寺に立ち寄って、お茶をもらおうとしたところ、白湯ばかり出てきたので、秀吉が今後は湯たくさん茶くれん寺と名乗るように命じたことによります。

いつも、門が閉ざされているので、外観だけしか見ることはできませんが、訪れておきたいお寺です。

2.大報恩寺

千本今出川を北上し、300メートルほど行き、市バス亭千本上立売を左に曲がると大報恩寺があります。

大報恩寺

大報恩寺

本堂に釈迦如来像を安置していることから、千本釈迦堂とも呼ばれます。

境内には、鎌倉時代の大工の妻であった阿亀(おかめ)の内助の功を讃えた阿亀桜という立派な枝垂れ桜が植えられています。

3.石像寺

大報恩寺から再び千本通に戻り、北に少し歩くと東側に石像寺(しゃくぞうじ)が建っています。

石像寺

石像寺

石像寺の本堂には、たくさんの釘と釘抜きの絵馬が壁一面にびっしりと貼られています。

その理由は、お寺に祀られている釘抜地蔵と関係があります。

その昔、手を痛めた商人が、石像寺のお地蔵さんに祈願しました。

すると、商人の夢の中にお地蔵さんが現れ、前世で釘を使って人を呪った報いで手が痛くなっているから、釘を抜いてやろうと言って釘を抜いたところ、商人の手の痛みが消えたと伝えられています。

4.称念寺

石像寺から北に200メートルほど進み、千本寺之内の交差点を右に曲がって、100メートルほど進み、左折すると称念寺があります。

称念寺

称念寺

称念寺は、猫寺とも呼ばれています。

江戸時代にお寺が廃れた時、住職が飼っていた猫が、疎遠となっていた松平家との復縁をとりつけて、復興したと伝えられています。

5.引接寺

千本寺之内の交差点に戻り、100メートルほど北上すると引接寺(いんじょうじ)というお寺が建っています。

引接寺

引接寺

引接寺は、千本ゑんま堂とも呼ばれ、2.4メートルもある本尊の閻魔大王像が安置されています。

開基は、この世とあの世を行き来したと伝えられている小野篁(おののたかむら)です。

春になると遅咲きの普賢象桜が咲き、また、境内には紫式部の供養塔があります。

6.上品蓮台寺

引接寺から300メートル北上すると上品蓮台寺(じょうぼんれんだいじ)に着きます。

上品蓮台寺

上品蓮台寺

上品蓮台寺は、聖徳太子が創建した古いお寺です。

この付近は蓮台野(れんだいの)と呼ばれ、昔、化野(あだしの)、鳥辺野(とりべの)とともに三大葬送地とされていました。

上品蓮台寺は、皇族の葬送に関わったとされ、蓮台野の墓守りの寺だったそうです。

春には、様々な色の枝垂れ桜が咲くことで知られています。

以上が、千本通を今出川から北上して訪れることができる6つのお寺です。

北野天満宮からそれほど遠くないので、時間があれば、立ち寄ってみてもいいのではないでしょうか。

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