下鴨神社の鴨社直会殿泉聲

京都市左京区の下鴨神社には、様々な殿社が建っています。

本殿や舞殿(まいどの)は境内の中央にあるので、参拝すればすぐに気づきますが、中には境内の端の方にあってわかりにくい建物もあります。

境内の東にある鴨社直会殿泉聲(かもしゃなおらいでんせんせい)も、そのひとつですね。

鴨社直会殿泉聲

下鴨神社は、京阪電車の出町柳駅から北に5分ほど歩くと到着します。

糺の森に包まれた長い参道を進み楼門をくぐって境内へ。

正面に舞殿があります。

そこから右に進んで川を渡り、さらにまっすぐ進むと瓦の乗った白い塀が現れ、その一部に門があるのに気づきます。

この門の奥にあるのが鴨社直会殿泉聲です。

鴨社直会殿泉聲

鴨社直会殿泉聲

門の近くに説明書があったので読んでみることに。

平安時代より、歴代御即位、大嘗祭(だいじょうさい)後、饗応殿(きょうおうでん)が下賜され、この場所に直会殿として移築し、式年遷宮ごとに造替してきたとのこと。

しかし、昭和度殿舎が老朽化したため、昭和23年(1948年)頃に徹却した後は再建されていませんでした。

平成27年(2015年)の第34回式年遷宮事業の一環として、平成5年、第61回神宮式年遷宮五丈殿の撤下を受けたので、伝統により再興したそうです。

また庭園もあるのですが、この庭は、平安時代から紫極(しきょく)にちなみ紫珠が植栽されていたので、「紫式部の庭」として復元されました。

ちなみに紫極とは天帝の座の意です。

残念ながら、門の外からでは紫式部の庭は見ることができません。

特別公開が行われることがあれば、拝観したいですね。

御手洗社

鴨社直会殿泉聲の近くには、瀬織津姫命(せおりつひめのみこと)を祀る井上社が建っています。

別名を御手洗社(みたらししゃ)と言います。

御手洗社

御手洗社

御手洗社は、賀茂斎院の御禊や解斎、関白賀茂詣の解除に参拝した社です。

もともとは高野川と鴨川の合流地点東岸に鎮座していたのですが、文明の乱により文明2年(1470年)に焼亡したため、文禄年間(1592-1596年)にこの地に再興し、寛永度(1629年)式年遷宮により官営神社となりました。

なお、井上社とは、井戸の井筒の上に祀られたことにちなんで付けられた社名です。

御手洗社の下には、御手洗池があり、土用になると清水が湧き出ると言い伝えられています。

これは下鴨神社の七不思議のひとつですね。

みたらし団子の語源も、御手洗池からこんこんと清水が湧き出る様を表していると言われています。

御手洗社には、いつでも参拝できるので、下鴨神社に訪れた時は、お参りしてください。

なお、下鴨神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

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