京都市右京区の嵯峨野は、紅葉の名所として知られています。
一口に紅葉の名所と言っても、見ごろを迎える時期は、同じ嵯峨野でも場所により異なっています。
嵯峨野の紅葉の名所である滝口寺は、この地域では比較的早く紅葉が進み、11月中旬には見ごろを迎えます。
少し早いとは思いましたが、11月上旬に滝口寺に紅葉を観に行ってきましたので、今回の記事では、その模様をお伝えします。
上の方から色付き始めているカエデ
滝口寺は、JR嵯峨嵐山駅から北西に20分ほど歩くと到着します。
当寺は、隣に建つ祇王寺と同じく往生院の子院でしたが、応仁乱などの戦火で往生院が荒廃し、近代になって再建されました。
この近くまで訪れる観光客の方は、祇王寺には入っていくのですが、滝口寺に向かおうとする人は少なめです。
隣に建っているのですから、ついでに滝口寺にも訪れたらいいのにと思うのですが、以前、祇王寺に訪れた時、私も滝口寺を素通りしたので、人のことは言えません。
入口は、なんとも寂しい感じ。人里離れた山の庵といった雰囲気が漂ってきます。
この辺りは、昔、多くの人が隠棲した地なので、往時をしのぶにはぴったりの景観です。
平重盛に仕えた斎藤時頼が出家したのも、新田義貞の妻の勾当内侍(こうとうのないし)が庵を結んだのもこの地です。
ちなみに隣の祇王寺は、平清盛に仕えた白拍子の祇王が隠棲した地です。
門をくぐった左手に拝観受付があります。
拝観料は300円とお手頃です。
滝口寺の本堂は、細い石段を上って行ったところに建っています。
拝観受付付近から、本堂の方を見上げると、カエデの木の上の方に付いている葉が色付いていました。
石段を上っていき、中腹から拝観受付の方を見下ろしてみました。
目の前にあるカエデは、下から緑、黄、オレンジ、赤と葉の色が異なっています。
上の方から徐々に色付いているのがわかりますね。
さらに石段を上っていくと、オレンジ色から赤色に変化し始めているカエデがありました。
このカエデは、あともう少しで見ごろを迎えそうですね。
紅葉を独り占め
石段を上りきると、本堂が建っています。
私がここに到着した時は、ご婦人方がいらっしゃったのですが、5分ほどで帰られたので、後は私ひとりだけとなりました。
本堂の正面のカエデもそろそろ見ごろを迎えそうな感じです。
それにしても滝口寺の本堂は味がありますね。
世を捨てて、ここに隠棲したくなる気持ちがよくわかります。
本堂は、中に入ることもできます。
白い座布団が10枚ほど並べられているので、その中の1枚に腰をおろし、境内の景色を観賞。
まだ、若干紅葉の見ごろには早かったですが、この景色を独り占めできるという贅沢な時間を過ごせたので、訪れてよかったです。
なお、滝口寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。