金閣寺の前のきぬかけの道から西に歩くと龍安寺、仁和寺へと行くことができます。
近くに3つも世界遺産があることから、きぬかけの道は、京都観光の定番コースとされています。
そして、多くの観光客の方は、上記の3つのお寺を拝観するとバスに乗って帰っていきます。
しかし、きぬかけの道に来たのなら、もうひとつ観ておきたいお寺があります。
そのお寺は、龍安寺から南東に10分ほど歩いたところに建つ等持院(とうじいん)です。
足利将軍家の菩提寺
等持院は、北側に門がないため、きぬかけの道から訪れる場合、南側の入り口まで歩く必要があります。
お寺の壁は見えているのになかなか入口に着かないのが、なんとももどかしいです。
下の写真が等持院の入り口です。しかし、拝観受付に行くには、この門の他にさらに2つの門をくぐる必要があります。
等持院は、足利尊氏が仁和寺の一院を中京区にある等持寺の別院としたのが始まりで、以後、足利家の菩提寺となりました。
開山は天龍寺で有名な夢窓疎石です。
拝観受付で拝観料500円を納めて、いざ建物内へ。
正面の壁には、ガイドブックなどで見かける祖師像の絵が大きく描かれています。
この絵を観ながら、自動的に流れてきた音声ガイドを聴いて、等持院の由緒や見どころを確かめます。
音声ガイドを聴き終った後は、順路にしたがって進んでいきます。
最初に到着したのは方丈。
方丈は、福島正則が建てたもので、当初は妙心寺の塔頭(たっちゅう)の海福院にありましたが、文政元年(1818年)に等持院に移されました。
方丈の南側には、禅寺らしく枯山水庭園があります。
どのお寺でもそうですが、枯山水庭園を眺めていると気持ちがリセットされるというか、心の中が静かになるような気がします。
しばし、枯山水庭園を眺めた後、隣の霊光殿へ向かいます。
霊光殿には、歴代の足利将軍の像と徳川家康の像が安置されています。
木像の顔は、全て異なっていますね。
ちなみに家康の像は、42歳の厄除けの霊験を受けたものだそうです。
「さすが、足利将軍家の菩提寺というだけあって歴代将軍の木像が全て並んでいる」
ように見えたのですが、実際には5代将軍の義量(よしかず)と14代将軍の義栄(よしひで)の2体はありませんでした。
庭園を拝観
霊光殿の後は、いよいよ境内の北側にある池泉回遊式庭園の拝観です。
この庭園は、下の写真の芙蓉池とその東にある心字池が中心となっています。
夏の暑い中、等持院に訪れた目的は、庭園に咲くフヨウの花を観るため。
しかし、どこを探してもフヨウの花は咲いていません。あるのは鮮やかな緑色の葉っぱだけです。
お寺の方に伺ったところ、今年はフヨウの開花が遅れているとのこと。
フヨウの花を観れないのは残念ですが、仕方ありませんね。
なお、等持院のフヨウの花の写真は、「なのは便り」さんの下記の記事に掲載されていますので、ご覧になってください。
なのは便り 等持院 芙蓉2014年7月4日追記:左記ブログは閉鎖しています。
芙蓉池の北の丘には、茶室の清漣亭(せいれんてい)があります。
この茶室は、8代将軍の義政好みに基づいているとのこと。
こういった質素な建物は、観ていて疲れませんね。
派手なものといえば、清漣亭の側に植えられたサルスベリの花だけです。
庭園内には、足利尊氏のお墓もあります。
激動の南北朝時代を生きた室町幕府初代将軍のお墓にしては小さいですね。
庭園には、他に足利家十五代供養塔もあります。
庭園内を一通り歩いた後は、再び建物内へと戻ります。
さすがに真夏なので、汗をかきました。
縁側から芙蓉池を眺めながら、体と心をクールダウン。
そして、等持院を後にしました。
なお、等持院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。