京都市内の紅葉の名所で忘れがちなのが、洛南と呼ばれている京都市南部地域。
特に京都駅から若干行きにくい場所にある醍醐寺、隨心院、勧修寺(かじゅうじ)は、美しい紅葉を見られるのですが、秋の行楽シーズンにしては拝観に訪れる観光客や旅行者が少ないですね。
醍醐寺
京都駅から醍醐寺に行くには、地下鉄を利用することになります。
烏丸線で烏丸御池駅まで行き、そこで東西線に乗り換えて醍醐駅で下車し、東に10分ほど歩けば醍醐寺に到着します。
醍醐寺は、豊臣秀吉が盛大にお花見をしたお寺として知られているので、桜の時期はとても多くの観光客の方で賑わいます。
でも、紅葉に関しては、あまり知られていないようで、晩秋の境内は春より人が少なめです。
醍醐寺で、紅葉が美しい場所は林泉です。

醍醐寺
池の周囲に植えられたカエデの葉が真っ赤に紅葉し、日が射すとキラキラと輝きます。
弁天堂へと続く朱色の反り橋とともに眺める紅葉もおすすめ。
近くには、お食事処や茶店もあるので、のんびりとくつろぎながらモミジを眺めることもできますよ。
ライトアップされた林泉の紅葉も美しいので、日中に拝観できなかった場合には夜間拝観に行くと良いでしょう。
また、大講堂付近、五重塔付近でも紅葉を楽しめます。
仁王門をくぐってすぐの参道にも、多くのカエデが植えられていますね。
醍醐寺は、境内が自然に囲まれているので、近代的な建物が視界に入らず、都会の喧騒を忘れたい方におすすめです。
なお、拝観料は三宝院、伽藍、霊宝館が各600円、3ヶ所の共通拝観券が1,500円、いずれか2ヶ所の共通拝観券が1,000円です。
紅葉時期はライトアップが行われることもあります。
2025年の秋期夜間拝観は、11月22日から12月7日までで、拝観料は1,300円です。
隨心院
醍醐寺の次は、北に10分ほど歩いて隨心院に向かいましょう。
隨心院は、小野小町ゆかりのお寺として知られており、春の梅が有名ですが、紅葉も観賞できます。
秋の隨心院は、拝観者がほとんどいません。
そのため、縁側に座ってのんびりと紅葉を楽しめます。

隨心院
本堂の前に池があり、その奥にカエデが植えられています。
背が高い木々に囲まれているため、お寺の外の景色が見えなくなっており、心静かに紅葉を愛でることができるのが隨心院の特徴。
表書院の展示物、能の間、奥書院もじっくりと拝観しておきましょう。
また、境内には立派なイチョウの木が数本あり、黄葉した葉に太陽光が射すと金色に光って見えますよ。
なお、隨心院の拝観料は通常500円ですが、2025年11月1日から30日まで秋期非公開文化財特別展が行われ1,000円になります。
2025年の夜間拝観は、奥書院工事のため中止です。
勧修寺
隨心院から北西に約10分歩くと勧修寺が建っています。
勧修寺も隨心院と同じく穴場的な紅葉名所です。
当寺で紅葉が美しいのは、宸殿(しんでん)の周囲です。

勧修寺
宸殿は、門跡寺院特有の格式の高い建物。
その宸殿とともに眺めるモミジは、どことなく気品が感じられます。
また、氷室池(ひむろのいけ)の近くにもカエデが植えられており、観音堂や東山とともに眺める紅葉も格別です。
ただし、午後に訪れると逆光になって写真撮影が難しくなるので、午前中に拝観するのが良いかもしれません。
その場合は、地下鉄小野駅で下車し、勧修寺、隨心院、醍醐寺の順に廻るのが効率的です。
なお、勧修寺の拝観料は500円です。
醍醐寺の拝観には1時間から1時間30分ほどかかります。
隨心院と勧修寺は30分程度で拝観できますが、勧修寺はもう少し時間をとりたいですね。
3つの寺院の移動に約40分、電車での京都駅との往復が1時間かかります。
なお、帰りは勧修寺近くにある小野駅から地下鉄に乗車してください。
勧修寺から先に拝観した場合は醍醐駅から地下鉄に乗車しましょう。
また、お食事できるお店は小野駅の近くにあります。
拝観時間、移動時間、食事時間を合わせると、所要時間は5時間から6時間ほどです。