まだまだ寒さが厳しい2月下旬。
たまたま京都市南区の東寺の前を通りかかったので、ちょっとだけ境内を歩くことにしました。
さすがに冬ということで、境内は殺風景でしたね。
毘沙門堂
境内に入り、まずは五重塔を眺めることに。
いかにも冬といった景色です。
枝垂桜も枝だけの状態ですね。
今回は、ちょっと立ち寄っただけなので、五重塔がある敷地内には入らないことにし、拝観料が必要ないお堂を見て回ることに。
それでは、東寺境内を散策しようと思ったら、背後で「グエ、グエ」という声が聞こえたので振り返ってみたら、堀の中をカモが仲良く泳いでいましたよ。
まず最初に見たのは、境内の北に建つ食堂(じきどう)です。
その名のとおり、お坊さんが食事をしていた建物です。
現在、中には大きな仏像が数体安置されていますが、火災に遭ったため、痛々しい姿になっています。
境内の西の大師堂が建つ辺りには、毘沙門堂が建っています。
東寺の毘沙門堂は、都七福神めぐりのひとつです。
毘沙門天は、福徳、財宝を授けてくれる神さま。
賽銭箱に浄財を入れて拝んでおきましたよ。
三面大黒天
毘沙門堂の少し西には、大黒堂が建っています。
こちらに祀られているのは、大黒天、毘沙門天、弁財天が合体した三面大黒天で、弘法大師空海作と伝わっています。
説明書によれば、大黒天は大地の神で、持っている槌を振ると福寿円満が訪れるそうです。
毘沙門天は、先ほども説明したように財宝の神で、四天王の北方の守護神でもあります。
弁財天は、音楽、技芸上達の神さまです。
三面大黒天にお参りすると、一度に上記三尊のご利益を授かることができるとのこと。
先ほど、毘沙門天にお参りしたので、財宝に関しては二重のご利益を授かることができるのでしょうか。
よくわかりませんが、三面大黒天にもしっかりとお参りしておきましたよ。
鎮守八幡宮
三面大黒天にお参りを済ませた後は、境内の南に建つ南大門付近の鎮守八幡宮に向かうことに。
鎮守八幡宮は、薬子(くすこ)の変(810年)に際して、空海が八幡神を祀ったのが始まりだそうです。
本尊の八幡三神像は、1本の霊木から3躯を造りだしたものだとか。
南北朝時代には、東寺近辺で戦いが起こり、鎮守八幡宮から神矢が飛んで、東寺に陣を敷いていた足利尊氏が勝利したという伝説も残っています。
以来、室町幕府が、東寺を保護したことから鎮守八幡宮も栄えたそうです。
東寺と言えば、真っ先に五重塔が思い浮かびますが、境内には、いろいろと興味深い建物が建っています。
こういった建物を見て回るのも、なかなか楽しいですよ。