閑院宮邸跡に見ごろを迎えた紅葉を見に行った・2025年

11月26日に京都市上京区の京都御苑内にある閑院宮邸跡(かんいんのみやていあと)を訪れました。

閑院宮邸跡は、現在、京都御苑の歴史などを紹介する展示室となっており、誰でも無料で入ることができます。

また、庭園も散策でき、この時期には紅葉を楽しめます。

玄関に並んだキクタニギク

閑院宮邸跡は、地下鉄の丸太町駅が最寄り駅です。

駅を出て東に歩き、間之町口(あいのまちぐち)から京都御苑の中に入り、北に少し歩くと閑院宮邸跡の東門が現れます。

駅からは徒歩約5分ですね。

東門

東門

東門をくぐった先に展示室があり、その玄関わきでは、プランターに植わったキクタニギクが並んでいました。

キクタニギク

キクタニギク

親指ほどの大きさの黄色い花がたくさん咲き、遠目からだと秋なのに菜の花が咲いていると勘違いしそうです。

近くの説明書によると、キクタニギクは、環境省レッドリストの準絶滅危惧種、京都府レッドリストの絶滅危惧種だそうです。

その名は、東山を流れる菊渓(きくたに)が由来。

かつては、菊渓に自生していたのですが、この一帯では絶滅したとのこと。

関西地方では、10月下旬から11月頃に咲き、正面から見るとミニサイズのヒマワリのようでかわいらしい。

キクタニギクのアップ

キクタニギクのアップ

現在、「京都市生物多様性プラン」を推進するため、環境マネジメントシステム「KES」の登録事業所などが、京都の文化にゆかりのある希少植物の育成等の活動を進める「KES エコロジカルネットワーク」が広がっています。

近年、秋になると原種のフジバカマを見られるようになりましたが、これもKESエコロジカルネットワークプロジェクトの取り組みのおかげのようですよ。

なお、キクタニギクは、11月20日から12月3日までの展示でした。

床もみじ

玄関で署名して展示室の中に入ります。

中庭のモミジは、すでに3分の1くらいの葉が散っていました。

中庭の紅葉

中庭の紅葉

中庭は日当たりが良いので、色づくのが早く、その分紅葉の終わりも早いようです。

展示室の南側の床がつやつやしており、外の紅葉が映る床もみじが見られますよ。

床もみじ

床もみじ

曇っていたためか、床への映り込みが弱い。

床もみじは、左京区の岩倉に建つ実相院が有名ですから、機会があればそちらにも参拝してはどうでしょうか。

展示室の中には、巨大スクリーンが設置されたVR映像シアターがあり、ここでは、20分以上に渡り京都御苑の紹介が見られます。

私も長椅子に座り、少しの間映像を見ることに。

江戸時代の京都御苑内の様子を上空から眺めるように紹介していき、今は芝生になっている一帯に多くの公家の屋敷が建っていたのがわかります。

これらの建物が現存していれば、高い歴史的価値を持った遺産となったでしょうね。

紅葉を見ながら敷地内を散策

展示室から出ます。

南東角に庭園、西に旧宮内省所長官舎跡があり、自由に散策できます。

庭園の池のほとりに植わった1本のカエデが、水を飲もうかとしているように枝を垂らしていますね。

池と紅葉

池と紅葉

枝には、真っ赤なモミジがたくさん付き、紅葉が見ごろを迎えていました。

周囲の木々も思い思いに色づき、青葉に混ざって黄色やオレンジ色の葉が池を囲んでいます。

秋が過ぎ去ろうとしているのが感じられ、心も冷えてきます。

寒さを覚えるのは、先ほどまで小雨が降っていたからですけどね。

散策路を西に向かって歩き、旧宮内省所長官舎跡にやってきました。

その南側には小川が流れ、ほとりのカエデが良い具合に赤色となっていましたよ。

見ごろの紅葉

見ごろの紅葉

閑院宮邸跡の敷地内は、木々が多く植わっており、1本1本への日当たりがあまり良くありません。

そのため、カエデが紅葉しにくいのですが、上の写真に写っているカエデは鮮やかに紅葉していました。

隣のカエデは、青葉が目立ち、紅葉している葉も緑色が混ざったような深い赤色。

同じような場所に植わっていても、ちょっとした日当たりの違いでこんなに紅葉に差が出るんですね。

さらさらと流れる小川でモミジが泳いでいました。

小川に散ったモミジ

小川に散ったモミジ

真っ赤なモミジも見られますが、オレンジ色の状態で散ったモミジも割と多め。

先ほど見た紅葉を南側から北向きに眺めます。

小川と紅葉

小川と紅葉

この角度からの方が、小川の流れと飛び石の橋も一緒に見られ、江戸時代の宮家の邸宅跡らしさを感じられます。

人も少なく静か。

西側には車がたくさん走る烏丸通があるのですが、その音も気にならないほど静かです。

散策路を東に歩き、展示室付近に戻って来ました。

展示室と紅葉

展示室と紅葉

色づき半ばのカエデの頭上には、雲をかき分けるように顔をのぞかせた青空。

展示室わきの木からは、すべての葉が落ち、冬が間近に迫っているのを伝えているようでしたよ。

閑院宮邸跡の紅葉は、11月26日に見ごろに入ったばかりでした。

この様子だと、長ければ12月7日まで紅葉を見られそうです。

なお、京都御所の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

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