今熊野観音寺に見ごろの紅葉を見に行った・2025年

11月下旬に京都市東山区の今熊野観音寺に参拝しました。

当寺は、泉涌寺(せんにゅうじ)の塔頭(たっちゅう)です。

西国三十三所観音霊場巡りの第十五番札所でもあり、観光バスで訪れるお遍路さんの集団を見かけることもありますね。

紅葉の名所としても知られ、そろそろ本格的な見ごろを迎えている頃です。

鳥居橋を渡ると錦秋の秋がそこに

今熊野観音寺には、JRまたは京阪電車の東福寺駅から東に約15分歩くと到着します。

泉涌寺が建つ泉山(せんざん)に入った後も、ずっと登り坂ですが、途中で左に曲がると今度は下り坂に変わります。

下り坂の先には、朱色の欄干が紅葉とよく調和する鳥居橋が架かっており、写真撮影をする人が後を絶ちません。

鳥居橋の紅葉

鳥居橋の紅葉

鳥居橋周囲のカエデは、紅葉が見ごろに入って間もないようで、まだ赤色以外にオレンジ色や緑色の葉も見え色合いが均等ですね。

日当たりが悪いため、なかなか赤くなってきませんが、これくらいの色付きを好む方もいらっしゃることでしょう。

鳥居橋から参道をまっすぐ東へ。

左手に紅葉を見ながら歩き、今熊野観音寺の入り口に到着。

もみじ祭の案内が出ていますね。

入り口

入り口

入り口から境内に入ると、まさに錦秋の秋。

茶所下のカエデは、ほとんどの葉が還暦のお祝いを迎えたかのような赤色になっています。

茶所下の紅葉

茶所下の紅葉

茶所の廊下は、宙に浮かぶモミジが日射しを受けてきらめき、赤色やオレンジ色に包まれた空間となりますよ。

この景色も見ておきたいのですが、茶所に入るには拝観志納料2,000円を納める必要があります。

以前は、無料だったんですけどね。

清水の舞台の懸造のような建ち方をしている茶所ですから、多くの人が入ると危険なので人数制限したのでしょうか。

茶所下の石段を上り、子まもり大師の前にやって来ました。

子どもたちに囲まれたお大師さまの頭上には、モミジが波打つように屋根をつくり、赤色やオレンジ色の光が射しこみます。

子まもり大師と紅葉

子まもり大師と紅葉

私が今熊野観音寺を訪れた時間帯は曇り空でしたが、雲が薄く、やわらかい日射しが境内に届いていました。

どんより曇っていると紅葉が薄暗く見えますが、これくらいの曇り空だとまだ明るさを感じられるので、モミジの色が鮮やかに見えますね。

晩秋のもの悲しさを感じられる紅葉

子まもり大師の後ろの石段を上がったところに植わっているカエデは、上の方の葉が散り、下半分だけモミジを残している状態。

このモミジ越しに眺める本堂が絵になるのですが、紅葉が見ごろを終えようとしており寂しい姿になっていました。

本堂と紅葉

本堂と紅葉

それでは本堂にお参り。

堂内にも入れるので、本尊の観音さまをじっくりと拝むことができますよ。

本堂の南東に目をやると鐘楼の周囲のカエデが、黄色やオレンジ色の葉をたくさん付けていました。

鐘楼付近の紅葉

鐘楼付近の紅葉

真っ赤にならないモミジは、どことなくもの悲しさを感じさせます。

境内に落ちた乾いたモミジも、晩秋のしんみりとした雰囲気を演出していました。

大師堂の近くから紅葉越しに本堂を眺めます。

紅葉越しに見る本堂

紅葉越しに見る本堂

ここのカエデも散り始めており、寂しい姿になってきていましたが、モミジの色付きは良く、くすみのない赤色やオレンジ色。

枝の間から本堂もよく見え、意外と半分くらいしかモミジが残っていない方が美しく感じます。

本堂の北東角から境内の紅葉を観賞。

様々な色のモミジが重なり合い、まるでたくさんの錦鯉が泳いでいるような景観です。

本堂わきから眺める紅葉

本堂わきから眺める紅葉

全体的にしっとりとして見えるのもまた、「いとあはれ」といった感じ。

医聖堂が建つ山の上にやって来ました。

ここから見下ろす境内の紅葉も格別ですぞ。

見下ろす境内の紅葉

見下ろす境内の紅葉

すでに散り終えたカエデも見られますが、境内全体でまだまだ紅葉が見ごろを保っているのがわかります。

本堂から3分くらいで山の上に登れますから、今熊野観音寺に参拝した際はここから境内を眺めて欲しいですね。

近代的な建物は視界に入らず、自然の空気がきれいに感じられますよ。

山から下り、鐘楼の前に戻って来ました。

足元に散った黄色い葉と赤くなりきれないモミジが、奥の鐘楼と合わさると、なんとも切ない風景。

散ったイチョウの葉と鐘楼

散ったイチョウの葉と鐘楼

鳥居橋に向け、ゆっくりとイチョウの葉を踏みしめ、しみじみとした趣にひたりながら今熊野観音寺を後にしました。

今熊野観音寺の紅葉は、11月下旬に散り始めていましたが、まだ見ごろを保っていました。

境内の紅葉は12月5日までは楽しめそうですよ。

鳥居橋付近は、まだ青葉が多かったので、長ければ12月10日頃まで紅葉を見られるのではないでしょうか。

なお、今熊野観音寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

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