8月6日の夕方に京都市左京区の宗忠神社に参拝した後、同じ吉田山に鎮座する吉田神社にも参拝しました。
吉田神社と言えば、節分祭がとても盛り上がり、その時は多くの参拝者で賑わいますが、それ以外はほとんど混雑しません。
特に夏は京都を訪れる旅行者や観光客が減るので、吉田神社も閑散としたものです。
山蔭神社と菓祖神社に参拝
吉田山の山頂に建つ宗忠神社を出て西に坂道を少し下ると、吉田神社の鳥居が現れます。
今回は、吉田山を下りながら境内を歩きます。
ちなみに市バスだと「京大正門前」から東に徒歩約5分で吉田神社に到着します。

鳥居
太陽は、すでに真西にあり眩しいですね。
鳥居をくぐり少し歩いた右手に斎場所大元宮があります。

斎場所大元宮
普段は門が閉ざされているので、斎場所大元宮に近づくことはできません。
幽斎桜と呼ばれる枝垂れ桜は全身緑色。
葉が垂れ下がっているのが柳のようであります。
参道を下っていくと、左手に朱色の立派な社殿が現れます。
これは、山蔭神社です。

山蔭神社
吉田神社は、藤原山蔭(ふじわらのやまかげ)が貞観元年(859年)に奈良の春日大社を勧請(かんじょう)したのが始まりです。
山蔭神社は、その藤原山蔭と恵比須神を祀っています。
藤原山蔭は、あらゆる食物を調理調味づけした始祖でもあり、古来より、包丁の祖、料理飲食の祖としても崇められています。
現代も続く日本料理をおいしく召し上がれるのは、藤原山蔭のおかげですね。
毎日の食事に感謝しお参りをしましょう。

山蔭神社の社殿
山蔭神社からさらに参道を下っていきます。
両脇の緑が夕日に照らされ、夏の夕暮れらしい景色となっていました。

参道
時刻は午後5時30分頃ですが、この時間帯でも、吉田山では、まだセミの鳴き声が聞こえます。
参道の中ほどに建つ鳥居をくぐり右に曲がると、今度は菓祖神社が現れます。
こちらも、朱色の社殿が立派です。

菓祖神社
祭神の田道間守命(たじまもりのみこと)は、垂仁天皇の命を受け常世の国の非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)を日本にもたらしています。
また、同じく祭神の林浄因命(はやしじょういんのみこと)は、初めて餡入りのまんじゅうを作り広めています。
どちらもお菓子の祖神として崇められており、文化の神としても崇敬されています。
美味しいお菓子の普及に感謝し、菓祖神社にもお参りをしておきます。
本宮に参拝
菓祖神社にお参りを済ませた後、吉田山の中腹まで参道を下って来ました。

境内
中腹には吉田神社の本宮があります。
本宮に向かう鳥居の近くには、まっすぐ高く伸びた御神木が植わっています。

御神木
鳥居と比較すると御神木の背の高さがよくわかりますね。
鳥居の奥に拝殿が建ち、その後ろに中門があります。

拝殿
私より先に数人のグループがお参りに来ていました。
仕事関係のお参りでしょうか。
それでは、中門越しに本宮にお参りをしましょう。
中門の奥には春日造の4つの社殿が並んでおり、第一殿には健御賀豆知命(たけみかづちのみこと)、第二殿には伊波比主命(いはいぬしのみこと)、第三殿には天之子八根命(あめのこやねのみこと)、第四殿には比売神(ひめがみ)が祀られていますよ。
第一殿と第二殿は厄除、開運のご利益を授けてくれ、第三殿は学問の神さま、第四殿は女性に特別の徳を授ける神さまとして信仰されています。
また、第三殿と第四殿は夫婦神であり、良縁や夫婦和合のご利益を授けてくれます。
拝殿の東側に建つ直会殿(なおらいでん)には、大きな酒樽がいくつも奉納されていました。

直会殿の酒樽
神社では、酒樽をよく見ますね。
酒造会社にとって、神社へのお酒の奉納は欠かすことができない大切なことなのでしょう。
夏の夕方の吉田神社は、まだ暑さが残っていましたが、お参りしたことで気持ちは清らかになりました。
この後は、下鴨神社に夏越神事を見に行きます。
なお、吉田神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。