8月6日の夕方に京都市左京区の下鴨神社に参拝しました。
この日は立秋の前日で、下鴨神社では、夏越神事(なごしのしんじ)が催されます。
今回の参拝は、その夏越神事を見ることが目的であります。
茅の輪をくぐる
下鴨神社には、京阪電車の出町柳駅から北西に約5分歩くと到着します。
夏越神事は午後6時30分から始まります。
私が下鴨神社に到着したのは、その10分前。
30分前には着く予定だったのですが。
楼門の前に茅の輪が設置されていたのでくぐりましょう。

楼門
茅の輪は、左からくぐり、右からくぐり、左からくぐり、最後に直進します。
夏越神事が行われるのは、境内の北東角にある御手洗池(みたらしいけ)です。
すでに大勢の人が御手洗池の北側にいました。

井上社
これだけ人がいると、良い場所はほとんどなくなっていましたが、なんとか奥の方の比較的見やすい場所を確保できました。
御手洗池の中央には、50本の矢が刺さっています。
矢は斎串(いぐし)と呼ばれます。

御手洗池に刺さる斎串
御手洗池の上に建つ井上社(いのうえしゃ)では、すでに神事が始まっており、神前にお供えを供えたり、祝詞を奏上している最中でした。

井上社で神事
矢取り神事は一瞬の戦い
私の隣に設置されていたスピーカーから、夏越神事の解説が聞こえてきました。
下鴨神社の夏越神事は、6月末に他の神社で行われている夏越の祓と同じく、1年の前半についた厄を祓うために行うもの。
各神社が6月末に夏越の祓を行うのが定着する以前から、下鴨神社では夏越神事を催していたとのこと。
下鴨神社では、7月下旬に御手洗祭があり、足つけ神事も行われますが、この御手洗祭と夏越神事を合わせて夏越の祓としているそうです。
時刻は午後7時前。
本殿では、これから行われる矢取り神事(やとりのしんじ)に参加する裸男たちがお参りをしています。
矢取り神事は、午後7時からなのですが、ちょっと時間が遅れているようですね。
午後7時を過ぎ、神職が御手洗池の前にやって来ました。
神職たちは、等間隔で座ります。

神職たち
そして、一人の神職が御手洗池にお祓いをした後、神職たちにもお祓いをします。
最後に参列者に対してもお祓いをします。
お祓いをしてもらっている間は低頭。
お祓いが終わった後は、大祓詞(おおはらえことば)の奏上です。
この間も低頭。
高天の原(たかまのはら)や瀬織津姫(せおりつひめ)などの言葉が聞こえていきますが、素人にはその意味がよくわかりません。
きっと厄が祓われているのでしょう。
長い大祓詞の後、氏子から選ばれた裸男たちが、「えっさ、えっさ」と掛け声をあげながら御手洗池にやって来ました。
裸男たちは、斎串が刺さった御手洗池を囲むように並びます。

裸男たち
そして、数人の神職が、事前に参拝者が納めた人形(ひとがた)が入った箱を持って井上社の前に並びます。
神職が、松明が灯る御手洗池にたくさんの人形を入れていきます。
宙に舞う人形は、松明に照らされ金色に輝きながら水面に落下。

人形が池に入れられる
すると、裸男たちが、一斉に斎串を取り合い。
この間10秒もあったかという短い時間に矢取り神事は終了しました。

矢取り神事終了
矢取り神事が終わった御手洗池は、煙が焚かれ、水面では人形が金色に輝いていました。

御手洗池に浮かぶ人形
神事の終了後の御手洗池は、なんとも神秘的な雰囲気が漂っています。
これにて、夏越神事は終わりです。
夏越神事の模様は、動画にも収めていますので、ご覧になってください。
夏越神事の後は、本殿にお参り。
夏越神事の前に本殿にお参りをしようと思ったら、「これから本殿で神事があるからお参りできません」と巫女さんに言われたため、お参りが後回しになっていました。
時刻は午後7時30分頃。
境内はすっかり暗くなり、舞殿や楼門などにかかった提灯が明るく感じられるようになっていました。
糺(ただす)の森の少し上では、月もきれいに出ていましたよ。

夜の境内
この後、神職たちは、参道の南の入り口付近に移動し、神事を行います。
神事を見ることもできましたが帰宅することに。
夏越神事を見たので、半年の穢れが祓われたことでしょう。
なお、下鴨神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。