10月22日に行われた時代祭。
明治維新時代の次は、江戸時代の行列が登場します。
江戸時代は、徳川城使上洛列と江戸時代婦人列から構成されています。
徳川城使上洛列
徳川城使上洛列の旗の後にやって来たのは、長持です。
長持を運ぶお兄さんたちが、途中で止まりパフォーマンスを見せてくれるのが、徳川城使上洛列の見どころのひとつです。
立てばーァ
立てばてーョ
酒さーえ
飲めーば
重いーィ
荷物もーョ
軽かーァ
なーるわーョ
やーれやれー
エイサー
ホイットサー
エイサー
ホイットサー
と掛け声をかけながら、長持ちを走って持っていきます。
長持の後は、挟箱が続き、その後ろから毛槍がやって来ます。
毛槍のお兄さんたちも、パフォーマンスを見せてくれますよ。
ひーさーいー
いやとまーい
いやさのさー
やー
おい
ひーさ
よいやなー
よいーよーい
の掛け声を発し、左右に並んだお兄さんたちが、お互いが持っている毛槍を同時に投げて、相手が投げた毛槍を受け取ります。
私の近くでも毛槍を投げ渡していましたが、落とすことなく受け取っていましたよ。
毛槍の後は、大鳥毛や弓徒歩、鉄砲などが進みます。
こちらは、長槍です。
徳川幕府は、朝廷の重要な儀式などに将軍の名代として親藩または譜代の大名を城使として上洛させていました。
大礼の時などは、1,700人もの行列となり、一般の大名行列より盛大だったようです。
さすがに時代祭では、1,700人も登場しませんが、それでも、時代行列の中では最大人数の行列です。
行列の中ほどを馬に乗って進むのが城使です。
本来、城使は駕籠に乗ってるのですが、時代祭では騎馬です。
後方の騎馬は、跡乗番頭。
この後、足袋櫃などが続き、徳川城使上洛列は終了です。
江戸時代婦人列
徳川城使上洛列の次は、江戸時代婦人列です。
江戸時代婦人列は、時代行列では最初に女性たちが登場する行列です。
江戸時代の京都で話題となり活躍した女性が次々と進んでいきます。
先頭は、和宮(かずのみや)です。
和宮は、孝明天皇の妹で、14代将軍の徳川家茂(とくがわいえもち)に嫁いだ女性です。
有栖川宮熾仁親王(ありすがわのみやたるひとしんのう)とすでに婚約していたのですが、公武合体を実現するため、江戸に降嫁しました。
十二単姿で、江戸時代婦人列では、和宮が最も豪華です。
和宮の次は、幕末の女流歌人の大田垣蓮月が進み、その後を池大雅の妻の玉蘭が歩いてきます。
和歌に秀で、閨秀画家(けいしゅうがか)としても有名です。
時代劇の町人の女房のような衣装を着ていますね。
中村内蔵助の妻の後にやって来たのは、梶女です。
元禄時代(1688-1704年)の女流歌人で、祇園に茶店を営む実業家でもありました。
ちなみに先ほど登場した玉蘭は、梶の孫です。
梶女の後を進むのは、吉野太夫。
傘で日差しを遮り優雅に歩いています。
吉野太夫は、京都六条三筋町の芸妓で、のちに豪商の灰屋紹益(はいやしょうえき)の妻になっています。
鷹峯の常照寺は、吉野太夫ゆかりのお寺として有名です。
吉野太夫の後は、派手な衣装の出雲阿国が登場し、江戸時代婦人列は終了です。
この後は、安土桃山時代の行列の登場です。