京都の北、左京区にそびえる鞍馬山。
その鞍馬山には、鞍馬寺があります。
鞍馬山も鞍馬寺もパワースポットして人気があり、奥の院魔王殿には、650万年前に金星から降臨したと言い伝えられている魔王が祀られています。
尊天を祀る本殿金堂
鞍馬寺には、叡山電車の鞍馬駅から徒歩約5分で到着します。
到着すると言っても、そこは鞍馬寺の仁王門で、本殿金堂までは、山道を30分ほど歩かないといけません。
仁王門をくぐった先には、ケーブル乗り場があるので、それを利用すれば時間を短縮できます。
鞍馬寺の頂上までやって来ると、大きな本殿金堂が現れます。
鞍馬寺は、唐からやって来た鑑真和上の高弟の鑑禎(がんてい/がんちょう)上人が宝亀元年(770年)に草庵を結び毘沙門天を祀ったのが始まりとされています。
延暦15年(796年)には、造東寺長官の藤原伊勢人(ふじわらのいせんど)が堂塔伽藍を建立し、千手観音も合わせて祀っています。
本殿金堂に祀られているのは、尊天です。
尊天は、愛を月輪の精霊とする千手観音菩薩、光を太陽の精霊とする毘沙門天王、力を大地の霊王とする護法魔王尊の三身(さんじん)を一体としたものです。
鞍馬寺の入山時にいただいた案内には、「鞍馬山の信仰は、尊天を信じ、ひとりひとりが尊天の世界に近づき、ついには尊天と合一するために、自分の霊性にめざめ自分に与えられた生命を輝かせながら、明るく正しく力強く生きてゆくことにある」と記されています。
奥の院魔王殿
尊天の中の護法魔王尊が、冒頭で紹介した650万年前に金星から降臨した魔王です。
魔王は、サマート・クマラといい、金星から降臨する際、白熱の炎に包まれ、轟音とともに鞍馬寺の奥の院に降り立ったと伝えられています。
鞍馬山を貴船神社に向けて降りていく途中にある奥の院魔王殿にその魔王が祀られています。
鞍馬寺の魔王は、年をとらないとも言われており、時には幼い童子として、時には白髪の僧侶として現れるようですが、正体を見た人はいないそうです。
牛若丸に剣術を教えた天狗も、魔王だと伝えられています。
魔王の別名であるサマート・クマラの「クマラ」が「くらま」に転じて鞍馬寺となったとも言われていますね。
鑑禎上人も、藤原伊勢人も、魔王の霊力に惹きつけられて鞍馬寺を創建したとも伝えられており、今も、その霊力に導かれるように多くの人が鞍馬寺に参拝しています。
鞍馬寺にお参りをする際は、ぜひ、奥の院魔王殿まで足を延ばして、魔王の霊力を感じてください。
なお、鞍馬寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。