平等院の鳳凰堂を様々な角度から鑑賞する

京都府宇治市にある平等院は、10円玉に描かれている阿弥陀堂が有名です。

阿弥陀堂は、鳥が羽を広げたような形をしていることから、江戸時代初期に鳳凰堂と呼ばれるようになりました。

阿弥陀堂と呼ばれる建物は、仏教寺院ではよく見かけますが、平等院の鳳凰堂は、他の寺院にある阿弥陀堂と比較すると、とても特徴的です。

今回の記事では、平等院の鳳凰堂の見どころを紹介します。

正面の中堂と南北の翼廊

平等院は、JRの宇治駅から徒歩約10分で到着します。

京阪電車の宇治駅からだと、徒歩約12分です。

平等院の北門で拝観料を納め、南に少し歩くと、大きな阿字池の中央やや西に横に長い鳳凰堂が現れます。

左前から見た鳳凰堂

左前から見た鳳凰堂

鳳凰堂は、正面に中堂、南北に翼廊(よくろう)があります。

中堂は、単層入母屋造(いりもやづくり)で正面三間、側面二間の母舎(もや)の周囲に一間の裳階(もこし)がついています。

裳階とは、軒下壁面に付けた庇状の構造物のことです。

鳳凰堂の屋根は本瓦葺となっていますが、中堂の屋根の下にもう一つ小さな屋根のようなものがついており、これが裳階です。

中堂は、裳階を含めて、正面が14.2メートル、側面が11.8メートルあります。

中堂内には、本尊の阿弥陀如来坐像が祀られており、裳階の下にある円形の窓から、そのお顔を拝めるようになっていますよ。

また、別途拝観料を納めることで、鳳凰堂内部の拝観もできます。

左右の翼廊は、切妻造で南北に五間ずつのび、両端は前方に向かって三間折れ曲がっています。

翼廊は、2階建てとなっていますが、2階部分は実用的な意味がありません。

平等院のパンフレットによると、翼廊が2階建てとなっているのは、中堂の持つ重量感を左右にそらし、全体的なバランスの中で軽快さと優美さを生み出すことに大きな役割をはたしているそうです。

また、よく見ると、翼廊と中堂は2階部分がつながっておらず、行き来ができないようになっているのがわかります。

中堂に入るためには、北側の翼廊の1階部分から歩いて行くことになります。

鳳凰堂は、東向きに建っているため、阿字池越しに鳳凰堂を眺めると西向きになります。

そのため、夕方近くになると西日がまぶしく、写真撮影も逆光になってしまいます。

正面から見た鳳凰堂

正面から見た鳳凰堂

中堂の阿弥陀さまも東向きに座っていらっしゃるので、参拝者は中堂の円形の窓から阿弥陀さまを拝する時、西方浄土に向かって拝む形になります。

鳳凰堂の写真撮影は、逆光にならないように午前中に行うのがおすすめですが、日が西に傾いた時間帯の方が、阿弥陀さまに後光が射しているように見えるので、午後から参拝するのも悪くはありません。

上から見るとエビ形

こちらは、北側の翼廊です。

北側の翼廊

北側の翼廊

1階部分が吹き抜けになっているので、まるで屋根が豪華な東屋のように見えます。

反り橋の朱色が、鳳凰堂の朱色の柱と調和していますね。

鳳凰堂の中堂の後ろは、どうなっているかというと、長さ18.4メートルの尾廊(びろう)がのびています。

後ろから見た鳳凰堂

後ろから見た鳳凰堂

上の写真は紅葉が邪魔してわかりにくいですが、右側の中堂から左に向かって屋根が続いた廊下のようなものが見えます。

これが、尾廊です。

尾廊は、創建当時は、翼廊と同じく土間で、後ろの建物への通路として造られました。

後に改修されて板敷となり、花頭窓が取り付けられ現在にいたっています。

日本では、阿弥陀堂は奈良時代頃から建設され始めたようで、現存する建物の多くは、真四角の宝形造(ほうぎょうづくり)です。

一方の平等院の鳳凰堂は、観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)に説かれた西方極楽浄土の阿弥陀如来の宮殿を模したものと考えられており、内部の本尊後壁には、鳳凰堂に似た建物が描かれています。

横から見た鳳凰堂

横から見た鳳凰堂

鳳凰堂は、左右にのびた翼廊と後ろにのびた尾廊があるので、上から見ると、エビのような形をしています。

上の写真のように横から鳳凰堂を見ると、左右の翼廊が端で折れ曲がって前方に突き出ているのがわかり、まるでエビのハサミを思わせます。

ライトアップされた鳳凰堂

鳳凰堂の丹塗りが特に美しく見えるのは、夜間拝観の時です。

ライトアップされた鳳凰堂

ライトアップされた鳳凰堂

ライトアップされた鳳凰堂は、昼間よりも朱色が鮮やかに感じます。

また、中堂内部では、本尊の阿弥陀さまが金色に輝いているのもわかります。

夜間拝観は、春や秋に行われることがあるので、機会があれば、ライトアップされた鳳凰堂をご覧になってください。

かつての鳳凰堂

現在の鳳凰堂の鮮やかな朱色は、平成24年(2014年)から同26年まで行われた鳳凰堂の修理で丹塗りが行われ甦ったものです。

それ以前の鳳凰堂は、下の写真のように柱が木の色そのままで、丹塗りされていたとは思えない姿をしていました。

丹塗りの修復前の鳳凰堂

丹塗りの修復前の鳳凰堂

鳳凰堂は、丹塗りされている方が、浄土式の庭園にふさわしい姿に思えますね。

平等院に参拝する人の目的は、ほとんどが鳳凰堂でしょう。

特に正面から見る鳳凰堂が美しいですが、横からや後ろからも、じっくりと鑑賞してください。

なお、平等院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

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