京都御所 宮廷文化の紹介・2017年

11月1日。

京都御所で行われている「宮廷文化の紹介」を見に行ってきました。

京都御所は、毎年春と秋に一般公開が行われていましたが、2016年夏から通年公開になったことから一般公開が行われなくなっていました。

通年公開になって、展示物が減っていたのですが、今回の「宮廷文化の紹介」では、以前の一般公開と同じような形で、様々な展示物を見られるようになっています。

なお、宮廷文化の紹介は、11月1日から5日までで、3日と4日には雅楽、5日には蹴鞠も行われます。

秋晴れの空の下で見る京都御所

京都御所の最寄り駅は、地下鉄丸太町駅、もしくは今出川駅です。

どちらからも、駅を出ると京都御苑の大きな敷地が見えるので、道に迷うことはないでしょう。

京都御苑内に入り、西側の砂利道を歩き、京都御所の入り口の宜秋門(ぎしゅうもん)にやってきました。

宜秋門

宜秋門

ここでお巡りさんから手荷物検査を受けて、御所の中に入ります。

御所内に入って最初に見るのは、参内を許された者の玄関となっている御車寄(おくるまよせ)です。

そして、控えの間となっている諸大夫(しょだいぶ)の間、天皇皇后両陛下の玄関である新御車寄(しんみくるまよせ)を見て、御所の一番南の建礼門の前へとやってきました。

建礼門の北には、朱色の承明門(じょうめいもん)があり、その柱の間からは紫宸殿(ししんでん)が見えます。

承明門越しに見る紫宸殿

承明門越しに見る紫宸殿

承明門から東に進み、紫宸殿がある敷地への入り口となっている日華門近くでは、活花が展示されていました。

左から嵯峨御流、御室流、月輪未生流

左から嵯峨御流、御室流、月輪未生流

嵯峨御流、御室流(おむろりゅう)、月輪未生流(つきのわみしょうりゅう)と、それぞれに個性がありますね。

これらの活花を見るのは、一般公開が行われていた時以来です。

京都御所の一番東にある建春門付近では、木々が少しずつ紅葉し始めていました。

建春門付近

建春門付近

日華門をくぐり、紫宸殿の前にやってきました。

紫宸殿

紫宸殿

いつ見ても大きな建物です。

紫宸殿は、京都御所の中で最も格式の高い正殿で、即位礼など重要な儀式が行われます。

紫宸殿の北側に建つ清涼殿では、人形展示を見れました。

人形展示 叙位・除目

人形展示 叙位・除目

今回の人形展示は、平安時代に行われていた年中行事の叙位(じょい)と除目(じもく)の儀式の様子を再現したものです。

叙位は位階を授かる人、除目は官職に任命される人を決定する儀式です。

再び日華門の近くにやってきました。

ここでは、十二単(じゅうにひとえ)の展示も行われています。

十二単

十二単

十二単は、女性の装束で、本来は五衣(いつつぎぬ)、唐衣(からぎぬ)、裳(も)といいます。

こちらの横に長い建物は小御所です。

小御所

小御所

ちょうど150年前の慶応3年(1867年)12月に小御所会議が行われ、この会議により明治維新が目の前までやってきました。

小御所の前には、秋空を水面に映した御池庭(おいけにわ)。

御池庭

御池庭

小御所の中から眺めてみたいものです。

小御所から御学問所(おがくもんじょ)を過ぎ、御常御殿(おつねごてん)にやってきました。

御常御殿

御常御殿

御常御殿は、天皇の住いであるとともに儀式や対面の場としても使われていた建物です。

以前は清涼殿内に常御所が設けられていましたが、天正18年(1590年)に独立の建物になりました。

御常御殿の前にある庭園は、御内庭(ごないてい)です。

御内庭

御内庭

樹木が密集しており、石橋の下を遣水(やりみず)が流れています。

御常御殿の南側では、カエデが赤く色づき始めていましたよ。

色付くカエデ

色付くカエデ

御三間(おみま)を通り過ぎ、出口へ向かいます。

出口付近には、御倚子(ごいし)が展示されていました。

御倚子

御倚子

御倚子は天皇が使用していたイスのことで、様々な装飾が施されています。

展示されていた御倚子は、台盤所(だいばんどころ)、殿上、紫宸殿で使われていたものです。

現代のオフィスで使われているイスよりも硬そうな座り心地に見えますが、当時としては高価な物だったのでしょう。

京都御所が通年公開になったのはありがたいことですが、今回の「宮廷文化の紹介」のような催しが定期的に行われて欲しいですね。

以前の一般公開の時は、観光客や旅行者の方がとても多かったですが、宮廷文化の紹介では以前の半分くらいの人しかいなかったので混雑せず落ち着いて拝観できましたよ。

なお、京都御所の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

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