毎年、春と秋の2回、京都市上京区にある京都御所では一般公開が行われます。
2015年春は、4月3日から7日までが一般公開期間です。
毎回、京都御所の一般公開を見に行っているので、今回も初日の4月3日に京都御所を訪れました。
大正天皇御大礼の展示
2015年は、大正天皇の御大礼から100年目にあたるということで、京都御所の一般公開では、その儀式に関連する展示が行われています。
これは貴重な機会です。
見逃すと次は50年後か100年後にしか見れないのでしょうか。
そう考えると、この機会に見ておきたいですね。
しかし、今回の一般公開は初日から雨。
週間天気予報でも4月6日まで雨予報となっているので、今回はどの日に訪れても、傘を差しながらの拝観となりそうです。
京都御所の入り口は、西側にある宜秋門(ぎしゅうもん)。
警察の方の手荷物検査を受けた後、京都御所の中に入ります。
最初に見るのは御車寄(おくるまよせ)です。
ここは、昇殿を許された者が参内する玄関です。
御車寄には、狩野安信の「墨絵山水」が展示されていました。
六曲一双の屏風なのですが、今回は右隻のみが展示されていました。
続いて諸太夫(しょだいぶ)の間へ。
諸太夫の間は、参内した者の控えの間で、桜の間、鶴の間、虎の間の3部屋があります。
今回は、春らしく桜の間の写真を掲載しておきます。
天皇陛下や皇后陛下の玄関は、新御車寄(しんみくるまよせ)です。
新御車寄は、大正4年(1915年)の大正天皇の即位礼に際して建てられたもので、今年でちょうど100年になります。
普段は、門が閉まっている新御車寄ですが、今回は、中が見れるようになっていましたよ。
新御車寄の東にある月華門付近には、御室流(おむろりゅう)、嵯峨御流、月輪未生流(つきのわみしょうりゅう)の生け花が展示されていました。
以前までは、日華門の近くで展示されていたのですが、今回は場所を変えたようです。
写真で見るとわかりにくいですが、御室流の生け花はとても大きくて迫力がありましたよ。
満開の左近の桜
京都御所の一番南にある承明門(じょうめいもん)にやってきました。
ここからは、門越しに紫宸殿を見ることができます。
遠くからでも、紫宸殿の右前に植えられている左近の桜が満開になっているのがわかります。
過去の一般公開では、左近の桜の満開時期と日程がなかなか重ならなかったのですが、今回はちょうど良い時期に一般公開されましたね。
4月7日まで見ごろは続いていそうです。
近くで見る左近の桜は、とても迫力があります。
こんなに立派な桜は、そうそう見れるものではありません。
枝の先までびっしりと花が咲いていましたよ。
満開の左近の桜を見れたのですから、雨の中、京都御所を訪れた甲斐があったというものです。
宜陽殿から出口まで
紫宸殿から清涼殿へと進み、さらに宜陽殿へ行くと、皇室ゆかりの様々な品が展示されていました。
下の写真に写っているのは、頭八咫烏(やたがらす)形大錦旛(だいきんばん)と霊鵄(れいし)形大錦旛です。
これらは、昭和3年(1928年)の昭和天皇の即位礼紫宸殿の儀で使用したものです。
小御所では、萬歳楽と五節の舞の人形が展示されていました。
萬歳楽は、大正天皇の御大礼儀式のうち、大饗夜宴の儀で太平楽と共に、当時離宮であった二条城の敷地に饗宴場を新造し、その中央に設けた舞楽台で舞われたとのこと。
小御所の前に広がる御池庭。
左奥のヤマザクラは、散り始めており、見ごろをやや過ぎていました。
御学問所(おがくもんじょ)を過ぎて、御常御殿(おつねごてん)に向かいます。
ここでは、様々な絵画が展示されており、一の間では、狩野永岳の桃柳(とうりゅう)と奈良八景が展示されていましたよ。
御常御殿の前にある御内庭。
雨が降っていたので、薄暗い写真になってしまいました。
御三間(おみま)を過ぎると、出口です。
出口近くには何本か枝垂れ桜が植えられています。
どの枝垂れ桜も見ごろを過ぎていましたが、下の写真に写っているものは、まだ満開の状態を保っていましたよ。
さて、京都御所の春の一般公開の時には、御所の入り口と出口の間に植えられている御所御車返し(ごしょみくるまがえし)の桜も見ておきたいですね。
この桜は、花が密集して咲くので、まるで鞠が無数に枝についているように見えます。
まだ6分咲き程度でしたが、十分に華やかでしたよ。
おそらく、一般公開期間中に満開となるのではないでしょうか。
他にも京都御苑の敷地内には、様々な種類の桜が植えられていますので、お花見を楽しんでください。