坂本竜馬と中岡慎太郎の最期の地・近江屋跡

慶応3年(1867年)11月15日。

この日、日本の近代化に貢献した2人の人物が亡くなりました。

ひとりは坂本竜馬。そして、もうひとりは中岡慎太郎。

河原町の近江屋

京都市中京区の四条と三条を結ぶ河原町通のちょうど中間くらいの場所にコンビニがあります。

このコンビニの端に「坂本竜馬・中岡慎太郎遭難之地」と刻まれた石碑が建っています。

今はコンビニとなっている近江屋跡

今はコンビニとなっている近江屋跡

ここが、坂本竜馬と中岡慎太郎が暗殺された近江屋があった場所です。

坂本竜馬32歳、中岡慎太郎30歳。

2人の暗殺には、いろいろと謎が多いのですが、その原因はなんだったのでしょうか?

坂本竜馬を邪魔と思った者が多かった?

竜馬と慎太郎が暗殺される1ヶ月前の10月14日。

この日、大政奉還という歴史上の大事件がありました。それは、15代将軍徳川慶喜が政権を天皇に返上し、江戸幕府が形式的に終わった日です。

そして、この大政奉還を画策したのが竜馬だったわけです。

当然、幕府にとってみれば、竜馬がいなければ大政奉還は行われなかったと考えるので、竜馬を邪魔者と思います。

また、大政奉還をよく思わなかったのは幕府だけではありませんでした。

幕府と対立していた薩摩藩と長州藩も大政奉還には賛成できなかったのです。それは、両藩が武力討幕を計画していて、もう少しで幕府を討つ口実を作れたのに、大政奉還によってその口実がなくなってしまったからです。このあたりのことは長くなるので省略しますが、一言で言うと幕府を朝廷に対する反逆者という口実を作って、武力討幕を正当化するということです。

このように竜馬は、江戸幕府だけでなく、竜馬が仲を取り持って同盟を結ばせた薩摩と長州にとっても邪魔者だったわけです。

竜馬は自分が狙われていることを知らなかったのか?

竜馬を邪魔と思う者が敵にも味方にも多かったわけですが、そのことを竜馬は知っていたのでしょうか?

この点については、長州の桂小五郎が竜馬に狙っている者がいるということを忠告しています。

また、竜馬が暗殺される2日前には、新撰組を離脱した伊東甲子太郎(いとうかしたろう)からも新撰組が命を狙っていると告げられ、近江屋の近くの土佐藩邸に移るように忠告されていました。

これについては、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」の中で、竜馬は、つい最近まで自分の同志を斬ってきた新撰組にいた伊東をよく思っていなかったことが書かれています。

近江屋から東に5分ほど歩いた木屋町にある土佐藩邸跡

近江屋から東に5分ほど歩いた木屋町にある土佐藩邸跡

いずれにしても、竜馬は自分の身の危険について知っていたわけで、その上で近江屋に身を寄せていたようです。

この点について、竜馬は、少し不用心だったとも思えますね。

しかし、今となってはそんなことを2人に教えることはできません。

2人は誰に暗殺されたのか?

結局、2人は誰に暗殺されたのでしょうか?

桂小五郎が知っている者?

新撰組?

いろいろと考えられますが、現在、有力とされているのが京都見廻組です。

11月15日、京都見廻組数名が、自らを土津川郷士と名乗り、近江屋に入ります。

その時、竜馬と慎太郎は2階におり、階下で山田藤吉が応対しました。

刺客たちは、藤吉が階段を上がろうと背中を見せたところを斬りつけ、2階に上がり、竜馬と慎太郎を斬って、そのまま立ち去ります。

竜馬はその時に亡くなりますが、慎太郎はそれから2日後に息を引き取りました。

その2日間で慎太郎は、当時のことを話しています。

その中で、犯人の有力な手掛かりとされたのが、刺客のひとりが言い放った「こなくそ」という言葉。

「こなくそ」は伊予の方言で、新撰組の原田佐之助が伊予出身だったことから、当時は新撰組が犯人とされ、後に局長の近藤勇は斬首とされます。

また、「こなくそ」ではなく「こげなくそ」の聞き間違いとも言われています。「こげなくそ」は薩摩弁であることから、犯人の中に薩摩藩の者がいたとも考えられます。

では、なぜ、京都見廻組が犯人だという説が有力なのでしょうか?

それは、明治になって京都見廻組の今井信郎が告白したからです。

これについては、「竜馬を語ろう」さんの実行犯検証「京都見廻組説」のページで詳しく紹介されています。2015年1月5日追記:左記WEBサイトは閉鎖しています。

また、坂本竜馬のことについては、「龍馬の遺伝子」さんでびっくりするくらい詳しく書かれていますので、一度ご覧になってみてください。

京都には、坂本竜馬と中岡慎太郎以外にも、幕末維新の遭難の碑が多く建っていますので、また紹介していきたいと思います。

2014年3月12日追記

近江屋跡のコンビニが、京のとんぼというお店に変わっています。追加の記事を書いていますので、ご覧になってください。

関連記事