京都を一望できる将軍塚・大日堂

京都は山に囲まれた盆地なので、周囲の山の頂上から京都の街並みを一望することができます。

その中でも東山の頂上の将軍塚からの眺めは、京都市民だけでなく観光や旅行で京都に訪れる方にも人気があります。

将軍塚とは

将軍塚という名前を聞くと室町幕府の歴代将軍のお墓があるのかと想像してしまいそうですが、そうではありません。

その昔、桓武天皇が都を京都に遷す際、山上に登って京都を一望しました。

そして、京都の地形が都を置くにふさわしいと判断したわけです。

平安遷都前の都であった長岡京の造営の際、その責任者であった藤原種継が暗殺されるなど、桓武天皇の周りでいろいろと事件が起こっていました。

そのため、今度の都ではそのようなことが起こらないように、また、都を護るように祈願して、平安遷都前に登った山の山上に高さ約2.5メートルの像に甲冑を着せ、鉄の弓矢を持たせ、太刀を帯びさせて埋めました。

それが、将軍塚です。

実際に将軍塚に登ってみた

将軍塚へは、地下鉄蹴上駅から30分ほど山道を登って行くと着きます。

息が切れて、結構しんどいです。

蹴上駅近くには、ウェスティン都ホテル京都があって、その敷地内にたくさんタクシーが止まっています。歩いて登るのが大変だと思う方は、タクシーを使ってください。

山頂に着くと大日堂というお寺が建っています。

大日堂

大日堂

大日堂には、石造の胎臓界大日如来像が安置されています。

この大日堂で拝観料500円を納めると将軍塚の敷地に入ることができます。

敷地内は、緑色の芝生が絨毯のように敷かれ、手入れの行き届いた植木がいたるところに立っています。

敷地内を散策していると松が生えている大きな岩を発見。

一念松

一念松

拝観料を納めた時にいただいた大日堂園内ガイドを見ると一念岩と紹介されており、「人の一念岩をも通す」と書かれていました。

どんな困難なことも信念を持って取り組めば、うまくいくということなのでしょうか。

一念松を見て北のほうに歩いて行くと枯山水石庭があります。

枯山水石庭

枯山水石庭

山頂に造られた庭園なので、京都の街並みを背景にして庭を眺めると正に天空の庭といった感じです。

枯山水石庭から少し南に歩くと石で囲まれて一段高い場所に植えられた松があります。

東郷元帥お手植松

東郷元帥お手植松

この松は、日露戦争の日本海海戦で活躍した東郷平八郎が植えた松だそうです。

他にも陸軍大将の黒木為楨(くろきためもと)、早稲田大学創設者の大隈重信などのお手植松もあります。

そして、下の写真が2.5メートルの像が埋められた将軍塚です。

将軍塚

将軍塚

直径が約20メートルもあるそうです。

桓武天皇は、ここから京都を一望したんですね。自分が同じ場所に立っていると思うと感無量です。

下の写真は、将軍塚を上から見たものです。

上から見た将軍塚

上から見た将軍塚

将軍塚の隣に西展望台が設置されているので、その上から撮影しました。

この西展望台から京都を見降ろせます。

西展望台からの眺め

西展望台からの眺め

上の写真は、京都を見降ろしたものですが、天気が曇りだったため、街が煙っています。

京都の場合、晴れていても煙って見えることが多いので、雨の日の翌日など空気が澄んでいる日に将軍塚を訪れるのが良さそうです。

写真の左に見える緑色は京都御苑の敷地です。将軍塚から眺めるとその広大さがわかります。

ちなみに拝観料を納めなくても京都を一望できる場所があります。

それは、将軍塚の駐車場近くの展望台です。

将軍塚の西展望台と比較すると視野が狭いですが、ここからの眺めは観光客の方に人気です。

駐車場近くの展望台からの眺め

駐車場近くの展望台からの眺め

特に夜景がきれいなので、夜になると訪れる方が多い場所です。

「夜景の感動をあなたの元へ」さんの将軍塚 京都府京都市東山区の夜景のページで写真が掲載されています。ライトアップされた京都タワーやパノラマ夜景の素敵な写真も掲載されていますので、ぜひご覧になってください。

また、「Norichanフォトチャンネル」さんの都に日が沈む! (東山・将軍塚)の記事では、将軍塚から見た夕日の写真が掲載されています。青春を感じさせるいい写真ですね。

なお、将軍塚大日堂の詳細は下記のページを参考にしてみてください。