京都市左京区の叡山電車鞍馬駅を降りて少し歩くと大寺院の鞍馬寺に着きます。
入山料200円を納めて鞍馬寺の仁王門をくぐり、しばらく歩くと由岐神社が見えてきます。
お寺の中にある神社というと小さな鳥居と仏壇ほどの大きさの建物があるだけの小ぢんまりとしたものを思い浮かべますよね。
ところが、由岐神社はそんなことはなく、立派な建物がいくつか建っているのです。
平安時代の社会不安を鎮めるために創建
由岐神社は、天慶3年(940年)に大己貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)を祭神として祀ったのが始まりといわれています。
この頃は、地震などの天災が起こったり、関東で平将門の乱が起こったりと世の中が騒然としていました。
つまり、由岐神社はこれらの社会不安を鎮めるために創建されたんですね。
由岐神社の創建の際に松明を持った長い遷座の行列が通り、それを見た当時の鞍馬の人々が感動して始まったのが、鞍馬の火祭と言われています。
鞍馬の火祭は毎年10月22日に由岐神社で行われます。鞍馬の火祭については、「着物で京都散策」さんの鞍馬の火祭り 京都の3大奇祭のページで写真を交えながら紹介されていますので、ご覧になってみてください。
ほとんどの願いごとを叶えてくれます
神社といえば、やはりご利益が気になるところですが、由岐神社のご利益はたくさんあります。
由岐神社の説明が書かれた看板を見ると厄除開運、病気平癒、商売繁盛、家内安全、交通安全、無病息災、学業成就、縁結び、安産などご利益が盛りだくさん。
特に火の神としてご神徳は広大無辺とか。
割拝殿と願かけ杉
それでは、由岐神社の中に入ってみたいと思います。
由岐神社に入って、最初に見えるのが下の写真のトンネルのような建物。
どうやら拝殿らしいのですが、通常のものとは異なり割拝殿というそうです。
慶長17年(1607年)に豊臣秀頼が再建したものとか。
割拝殿を通った先に立っている大きな杉は、願かけ杉と呼ばれています。
樹齢600年以上の杉だそうです。
杉の下の方に見える朱色の鳥居が人の背丈ほどなので、その高さが想像できるかと思います。かなり大きな杉だったので、全体が写真に収まりませんでした。
願かけ杉というくらいですから、願いごとを叶えてくれそうですね。
他にも由岐神社には、6つの末社と重要文化財の狛犬などがあります。
観光で鞍馬寺に訪れる機会があれば、ぜひ由岐神社へも立ち寄ってみるといいと思います。
仁王門の近くからケーブルに乗車すると由岐神社に行けないのでご注意ください。
なお、鞍馬寺については、下記ページを参考にしてみてください。