京都市北区には、世界遺産に登録されている上賀茂神社が建っています。
上賀茂神社の境内には、縁結び、子授けのご利益があると信仰されている片岡社という摂社があります。
上賀茂神社に限らず大きな神社には、よく境内に摂社や末社などが建っていますが、境内の外にも摂社が存在していることがあります。
こういった摂社を境外摂社と言います。
上賀茂神社にも大徳寺と上賀茂神社の間に久我神社と貴船神社という2つの境外摂社が存在しています。
そこで、今回の記事では、この2つの境外摂社を紹介したいと思います。
久我神社
久我神社は、上賀茂神社を出て、賀茂川を渡り、10分ほど南に歩いたところに建っています。
久我神社の創建年代は不明ですが、貞観元年(859年)には存在していたことが確認されています。
なかなか歴史のある神社ですね。
久我神社の境内には、本殿と拝殿が建っています。
上の写真の左が本殿で右が拝殿になります。
どちらも江戸時代に建てられたものとか。
本殿は、一間社流造と呼ばれる技法で造られており、屋根の前の部分が後ろの部分よりも長くなっています。
上賀茂神社の他の摂社も一間社流造が採用されていることから、久我神社の本殿も上賀茂神社の摂社らしい特徴を持っていると言えますね。
拝殿は、切妻造と呼ばれる技法で造られています。
一般的に切妻造は、庇の方に出入り口が設けられるのですが、久我神社の拝殿の出入り口は、側面の妻側に設けられています。
こういった造りは珍しいそうです。
境内には、他にも大きなご神木の切り株が祀られています。
以前は、この辺りは大宮の森と呼ばれていました。
このご神木はその名残を留めていますね。
貴船神社
久我神社から南西に5分ほど歩くと貴船神社に到着します。
貴船神社と聞くと左京区の山の中にある貴船神社を思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、ここで紹介するのはその貴船神社ではありません。
もともとこの辺りは、上賀茂神社の荘園だったことから摂社の貴船神社が建てられたそうです。
祭神は、左京区の貴船神社から勧請(かんじょう)した高龗神(たかおかみのかみ)です。
なので、全く左京区の貴船神社と関係がないということではないんですね。
貴船神社の本殿は、北を向いて建っています。
一般的に本殿は南向きに建てられることが多いので、北向きに建っているのは珍しいですね。
北向の御神は特に霊験あらたかだとか。
貴船神社は、商売繁盛や家内安全のご利益があるとされています。
なので、こういった願い事がある方は、霊験あらたかな貴船神社にお参りすると良さそうですね。
上賀茂神社に参拝した後は、境外摂社の久我神社と貴船神社にも訪れてみてはいかがでしょうか。
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