京都南インター付近の3つの史跡を訪れる

京都南インターの辺りには、多くの会社があります。

高速道路を利用しやすい環境にあるためか、運送関係や倉庫関係の会社が多いように思います。

また、国道1号線も通っていることから、道路の脇にはたくさんのお店が並んでいます。

会社とお店と車だらけの京都南インター付近は、一見すると、観光で訪れるようなところは全くないように思えます。

ところが、探せば見つかるもので、この付近にも恋塚浄禅寺、城南宮、恋塚寺といった興味深い史跡があります。

そこで、今回の記事では、これら3つの史跡を紹介したいと思います。

恋塚浄禅寺

京都南インターから北に500メートルほどの場所に恋塚浄禅寺が建っています。

恋塚浄禅寺

恋塚浄禅寺

恋塚浄禅寺の地蔵堂に祀られているお地蔵さんは鳥羽地蔵と呼ばれています。

このお地蔵さんは、平安時代初期に小野篁(おののたかむら)が一度息絶えて冥土から蘇った後、一木から刻んだ6体の地蔵のうちのひとつと伝えられています。

恋塚浄禅寺が建てられたのは、小野篁が亡くなってからかなり後の平安時代末期のことです。

創建したのは、文覚(もんがく)です。

文覚は出家する前は、遠藤盛遠(えんどうもりとう)と名乗っていました。

ある時、遠藤盛遠は、源渡の妻の袈裟御前(けさごぜん)を誤って殺害してしまいます。

その後、盛遠は出家して文覚となり、袈裟御前の菩提を弔うために当寺を建てました。境内には、袈裟御前の首塚と伝えられる五輪石塔があります。

城南宮

恋塚浄禅寺から南に1kmほど行ったところには城南宮が建っています。

城南宮の入り口は、国道1号線に面していますが、境内は意外と静かです。

城南宮

城南宮

城南宮は、平安遷都の際に都の南の守護神として創建された神社です。

城南宮には、境内を取り巻くように神苑が造られており、そこには源氏物語に登場する100種類の植物が植えられています。

城南宮の神苑については、以前にこのブログの下記記事で紹介していますので、ご覧になってください。

また、城南宮は鎌倉時代に承久の乱の原因となった場所であり、明治維新の時には鳥羽伏見の戦いの戦場となるなど、歴史的に有名な神社です。

なお、城南宮の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

恋塚寺

恋塚寺は、城南宮から南に1kmほど行った場所に建っています。

最初に紹介した恋塚浄禅寺と似た名前ですね。

もちろん、両者は関係があります。

恋塚寺

恋塚寺

恋塚寺を建てたのは、先ほど登場した文覚です。

もちろん、袈裟御前の菩提を弔うために建てられました。

境内には、袈裟御前の墓という石塔があります。

恋塚寺と恋塚浄禅寺はセットで訪れたいお寺ですね。

なお、文覚と袈裟御前については以下の過去記事で紹介していますので、ご覧になってください。

普段、ほとんどの方が車で通り過ぎるだけの京都南インター付近ですが、探してみると意外と多くの史跡を見つけることができます。

こういった場所でも史跡を発見できるのが、京都の魅力ですね。

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