京都には歴史的に有名な事件の史跡が様々な場所に残っています。
そういった史跡を巡るのも、京都散策の魅力のひとつですね。
史跡と言っていいのかどうかわかりませんが、京都は昔からたくさんの物語の舞台ともなっています。
最近では、マンガやアニメの舞台となることもよくあります。
京都を舞台とした作品で特に有名なのが源氏物語です。
源氏物語は、モデルになった実在の人物はいますが、物語は架空の話です。
でも、京都には源氏物語ゆかりの地がいくつもあり、京都市上京区にある梨木神社(なしのきじんじゃ)と廬山寺(ろざんじ)も源氏物語ゆかりの地とされています。
中川の家候補地の梨木神社
京都御苑の東隣に建つ梨木神社は、中川の家候補地とされています。
この辺りは、東京極大路に沿って流れていた京極川があり、その二条以北を中川と呼んでいました。
梨木神社の社務所前に置かれている説明書によると、源氏物語では、中川を貴族の別荘が多く建ち並ぶ場所と設定しています。
源氏が花散里(はなちるさと)に逢いに出かける場面で「中川のほどおはし過ぐるに」とあることから、花散里邸はこの辺りと推定されているとのこと。
また、「帚木(ははきぎ)」で、光源氏が方違(かたたが)えで紀伊守邸を訪れ、空蝉(うつせみ)と出会った屋敷も中川です。
蜻蛉日記(かげろうにっき)の作者である藤原道綱母(ふじわらのみちつなのはは)もこの辺りに住んでいたそうです。
廬山寺
寺町通を挟んで、梨木神社の東隣に建つ廬山寺は、源氏物語の作者である紫式部の邸宅があった場所とされています。
現在の廬山寺が建つ辺りを紫式部邸跡と推定するのは、四辻善成(よつつじよしなり)の「河海抄(かかいしょう)」に紫式部邸の位置が「正親町(おおぎまち)以南、京極西頬(つら)、今東北院向也」とあることを根拠としています。
また、紫式部の曽祖父の堤中納言の屋敷があった地でもあり、彼女の父の藤原為時に譲ったことから、源氏物語や紫式部日記が執筆されたという説もあるようです。
現在の廬山寺には源氏庭と呼ばれる石庭があります。
源氏庭は近年に造営されたものなので、紫式部が住んでいたころにはありませんでした。
でも、平安時代の貴族邸を模した庭なので、その頃の貴族の暮らしを想像しながら鑑賞できます。
桔梗が咲く夏に廬山寺に訪れるのがおすすめですよ。
なお、梨木神社と廬山寺の詳細は以下のページを参考にしてみてください。