10月22日に木屋町三条に時代祭を見に行きました。
延暦武官行進列が過ぎた後は、延暦文官参朝列がやって来ます。
唐風の衣装
本列を奉仕するのは、平安講社第1社。
延暦15年(796年)に文官が朝賀の儀式のため参朝する様子を再現しています。
先頭を延暦文官参朝列と記された旗が進み、その直後を舎人が歩いてきます。

延暦文官参朝列
この時代は、まだ中国の影響を受けていたため、衣装も唐風の特徴を残していますよ。
文官が馬に乗って登場。
着用しているのは、位袍(いほう)と呼ばれる朝服で、身分が色によって定められています。
最初に登場した文官は浅紫色の位袍を着た三位。

三位
三位は文官の中で最高位であり、この後、行列が平安神宮に到着すると、大極殿に上がり祭文を奏上するという大役が待っています。
馬を引く人の衣装を見ると、前を合わせるのではなくTシャツのように頭を通して着用するようになっており、平安時代中期以降の服より簡素なのがわかりますね。
三位の後ろを蓋が進みます。

蓋
天辺に金色のひょうたんのようなものがあり、その下にオレンジ色で何やら模様が描かれ、見るからに貴人が使用する傘といった感じです。
深緋色の位袍を着ているのは四位。

四位
色以外は、三位と変わらないですね。
頭には冠を被り、ゆとりのある衣(きぬ)を上から着て、下には白色の袴を履いています。
参朝する列とあってか、周囲を歩くお供の召具(めしぐ)たちは武具を持っている様子はありません。
先ほど見た蓋の後ろに従っていた人たちの中には矛を持った人もいましたが、ほとんどの人が素手です。
浅緋色は五位の文官。

五位
これまでに見てきた列より、延暦文官参朝列は、どこかのんびりとして見えます。
文官の間が割と広く取られているのが、そのように見える理由でしょうか。
それとも、この時代の衣装が全体的に重々しくなく平和な印象を与えているからでしょうか。
一番後ろからやって来た深緑色の位袍を身につけているのは六位の文官です。

六位
他の文官と比較すると地味な色ですね。
五位に昇格して派手な浅緋色の位袍を着用したら、目がくらみそうです。
延暦文官参朝列が通過し、これで全ての時代が終わりました。
この後からが、時代祭の重要な列。
次は、神饌講社列がやって来ます。
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