京都には、縁結びのご利益を授けてくれる神社がいくつもあります。
その中には、参拝の作法が決まっているところもあり、下鴨神社の相生社(あおいおいのやしろ)の御神木である連理の賢木(れんりのさかき)も、女性は右から男性は左から回らないといけないとされています。
これは、日本神話の国生み神話が由来です。
相生社の参拝方法
京阪電車の出町柳駅から北西に約5分歩くと、下鴨神社が鎮座する糺(ただす)の森の入り口に到着します。
そして、糺の森を北に約5分歩き、鳥居をくぐった先の左手に相生社が建っています。

相生の社
相生社に祀られているのは、造化三神の一柱である産霊神(むすびのかみ)で、古代から縁結びの神さまとして知られています。
相生社の社殿の南側に植わっているのが、下鴨神社の七不思議の一つでもある連理の賢木です。
2本の木が途中で1本にくっついていることから縁結びのご利益があると信仰されているんですね。

連理の賢木
現在の連理の賢木は4代目。
相生社の神さまの御神徳により2本の木が1本に結ばれたそうで、糺の森のどこかで連理の木が生まれるのだそうです。
下鴨神社の説明書によると、相生社の参拝方法は以下のとおりです。
- 授与所で絵馬を授かり裏に願い事を書く
- 絵馬についている紅白の紐を良縁を招き縁を結ぶようにと願いながら結ぶ
- 絵馬を持って相生社の正面に進む
- 心の中で願い事を言いながら、女性は右から男性は左から回り、相生社の後ろにある絵馬掛けに絵馬をかける
- 相生社に戻りお参り
- 連理の賢木の正面から御生曳(みあれびき)の綱を2回引いて終了
伊弉諾命と伊弉冉命の国生み神話
先にも述べたように女性が右から、男性が左から回るのは国生み神話に由来します。
造化三神をはじめとする天津神(あまつかみ)たちは、伊弉諾命(いざなぎのみこと)と伊弉冉命(いざなみのみこと)に天沼矛(あめのぬぼこ)を渡し、「これで、ふわふわしている地面を固め国を作りなさい」と命じます。
そして、二神は「コオロ、コオロ」と掛け声をかけながら、天沼矛で海をかき回し、塩を固めてオノゴロ島を作り、そこに神聖な柱を立て八尋殿(やひろどの)という御殿を建てました。
次に伊弉諾命は伊弉冉命に神聖な柱の周りを回り、出会ったところで契りを交わそうと言い、女神である伊弉冉命は右から、自分は左から回ることにします。
柱の中ほどまで回ったところで二神は出会い、その時、伊弉冉命から声をかけました。
これが原因で2人続けて未熟な子供が生まれたため、天津神に相談し伊弉諾命から声をかけることに決めたところ、次々と8つの島が生まれ、大八島国(おおやしまぐに)と呼ばれるようになりました。
これが日本列島の始まり、国生み神話です。
連理の賢木を女性は右から男性は左から回る理由がわかったかと思います。
カップルで連理の賢木を回る場合は、女性から先に声をかけない方が良いかもしれませんね。
連理の賢木は珍しいですから、下鴨神社に参拝した際は忘れずに拝んでおきましょう。
なお、下鴨神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。