10月末に京都市東山区の建仁寺に参拝した後、南東に約5分歩き安井金比羅宮(やすいこんぴらぐう)を訪れました。
安井金比羅宮は、縁切りで有名な神社で、近年、旅行者や観光客の間で人気が高まっています。
私も、東山散策の時に何度も安井金比羅宮に参拝していますが、最近はあまり訪れていなかったので立ち寄ることにしました。
厳島社と稲荷社
安井金比羅宮には、京阪電車の祇園四条駅から南東に約10分歩くと到着します。
鳥居の前の石柱には、安井神社と刻まれています。
安井金比羅宮は、かつて安井神社と称していました。
鳥居をくぐって右手に建つのは、末社の安井天満宮です。
祭神は、学問の神さまの菅原道真です。
洛陽天満宮二十五社巡拝の社の一つとして信仰されてきました。
社前の狛犬は、明和4年(1767年)10月に木屋町二条の人々によって建立されたもので、年代が明確な石造狛犬としては京都市内最古のものたそうです。
平成29年(2017年)に社殿の修理が行われたばかりなので、まだ朱色がピカピカです。
安井天満宮の向かい側には、変わった形の手水鉢が設置されていました。
以前はなかったので、最近できたもののようです。
その手水鉢の奥にも、きれいな社殿が建っていました。
こちらには、厳島社と稲荷社が祀られています。
中に入ると、右に厳島社、左に稲荷社の小さな祠が置かれています。
厳島社は、安井の弁天さんと親しまれ、かつては境内にあった池の辺に祀られていたそうです。
祭神は、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)で、福徳財宝、商売繁盛のご利益の他、歌舞音曲・技芸上達のご利益も授けてくれます。
稲荷社は、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)を祀っており、商売繁盛、五穀豊穣のご利益を授けてくれます。
また、別名を三玉稲荷社といいます。
三玉は、三つの宝を表し、財力、長寿、子宝(あるいは、福、徳、幸)を授けてくれると伝えられているとのこと。
ちなみに稲荷社と言えば、キツネですが、覆屋の蟇股(かえるまた)にキツネの彫り物が施されているので、参拝時は見ておきたいですね。
秋葉社、人丸社、咡社
参道を南に歩き、拝殿の前にやって来ました。
ここで、賽銭を入れて鈴を鳴らします。
そして、前の本殿に進みお参りをします。
悪縁を切り、良縁に恵まれるようにお願いしておきましょう。
本殿の後ろにも、できて間もない覆屋がありました。
こちらには、右から、秋葉社、人丸社(ひとまろしゃ)、咡社(ささやきしゃ)の祠が置かれています。
秋葉社には、火之焼速男神(ひのやぎはやおのかみ)が祀られており、火伏せ、火難除け、厄災消除、炎上鎮静のご利益を授けてくれます。
創建や由緒は不明とのことですが、秋葉神社の総本宮である静岡県浜松市の秋葉山本宮秋葉神社の分霊を奉祀した社と考えられています。
SNSで炎上した際にお参りしておくと良さそうですね。
人丸社は、飛鳥時代の歌人の柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)を祀っており、文芸守護、火災除け、子授け、安産のご利益を授けてくれます。
火災除けは、祭神の名の語呂合わせで「火気の元の火止まる」から信仰されているようです。
また、安産は、人丸(ひとまる)を人産れる(ひとうまれる)と読んだことから、信仰されるようになったとのこと。
咡社は、祭神はわかっていませんが、心願成就、不安・心配事の解決、ストレス解消のご利益があるそうです。
別名を密語社(みつごしゃ)といいます。
お参りの仕方は、ちょっと変わっていて、鈴を鳴らし社の中央で二礼二拍手一礼までは同じですが、その後に左右に移動して、社の左右に付いている密語帯(みつごおび)のどちらか1本を持ち、心の中で囁くように人に言えない秘めた願い事、言葉や文字にできない悩みや不安、苦しみをそっと神さまに伝えます。
最後に一礼したら完了です。
初めてだったので、3つの社全てにお参りしておきました。
安井金比羅宮で、最も人気がある縁切り縁結び碑(いし)と呼ばれている断叶の碑の前にやって来ました。
いつもながら、お札で真っ白になっています。
中央の穴を表からくぐると縁切り、裏からくぐると縁結びのご利益を授かれます。
断叶の碑の前には、長蛇の列ができていました。
以前よりも、さらに人気が出ているようですね。
帰りは、参道を東に向かって東大路通に面する鳥居から外に出ました。
安井金比羅宮に参拝した際は、ぜひ、厳島社、稲荷社、秋葉社、人丸社、咡社にもお参りしてください。
この後は、八坂神社に参拝します。
なお、安井金比羅宮の詳細については以下のページを参考にしてみてください。