5月上旬に京都市東山区の勝林寺に新緑を見に行った後、東に約8分歩き今熊野観音寺を訪れました。
今熊野観音寺は、西国三十三所観音霊場巡りの第十五番札所で、御朱印を授かりに参拝する方の姿を時折見かけることがあります。
この時期の今熊野観音寺は、新緑が美しく、境内全体が青葉に包まれます。
透明感のある新緑
今熊野観音寺には、JRまたは京阪電車の東福寺駅から東に約15分歩くと到着します。
今熊野観音寺がある泉山(せんざん)には、泉涌寺(せんにゅうじ)をはじめ、多くのお寺があります。
泉山に来るだけで、様々な文化財を見ることができるので、1日中楽しめますよ。
泉涌寺の総門をくぐり泉山に入って南に歩いていくと、左手に今熊野観音寺へと続く参道が現れます。
参道は、緩やかな下り坂になっています。
参道を歩いてくと、鳥居橋が架かっており、その周囲をカエデの若葉が天井のように覆っていました。
新緑がとてもきれいであります。
鳥居橋を渡り、さらに歩いていくと、今熊野観音寺の建物が見えてきます。
それにしても、日差しを受けた新緑がまばゆいほど輝いていますね。
初夏ならではの光景であります。
子まもり大師像の後ろのカエデも、たくさんの若葉を付けていました。
子まもり大師は、心身健康、交通安全、学業成就、諸芸上達のご利益を授けてくれますよ。
子まもり大師像の後ろの石段を上ります。
見上げる新緑は、透明感があってきれいですね。
石段を上り新緑を抜けると、青空の下に本堂が現れます。
本堂の奥の山に建つ朱色の建物は、医聖堂です。
それでは、本堂にお参りをしましょう。
今熊野観音寺は、弘法大師空海が、熊野権現(くまのごんげん)から授かった一寸八分の観音像を体内仏として、自ら彫った十一面観音像を当地に安置したことが始まりと伝えられています。
現在の本堂は、正徳2年(1712年)に宗恕(そうじょ)祖元律師が建立したものです。
本堂の東には、弘法大師を祀る大師堂があります。
大師堂の前のカエデの若葉も透き通るような黄緑色がとても美しいです。
大師堂の後ろの山を登ります。
それほど高くない山なので、3分くらい歩けば登りきれますが、お年寄りの方だときついと思います。
山の上に建つ医聖堂は、朱色がピカピカしています。
医聖堂は、平成28年(2016年)に丹塗りの塗り替えが行われたばかりなので、こんなにきれいな姿なんですね。
医聖堂の近くからの眺め。
空が近くに感じられます。
近代的な建物が全く見えず、自然の中にいる感覚を味わうことができますよ。
山から下りて鐘楼の近くにやって来ました。
鐘楼の下にはコケが生えており、カエデの新緑とよく調和して、一面を緑色に染めていましたよ。
初夏の今熊野観音寺は、新緑がとてもきれいなのですが、参拝者はほとんどいませんでした。
観光バスに乗ってお遍路さんがたくさん訪れることもありますが、基本的には、参拝者が少なく静かなお寺です。
都会の喧騒を忘れたい方は、ぜひ今熊野観音寺にお参りしてください。
この後は、来迎院に新緑を見に行きます。
なお、今熊野観音寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。