8月上旬に京都市左京区の檀王法林寺に参拝した後、北に約5分歩き頂妙寺を訪れました。
頂妙寺は、日蓮宗のお寺で広々とした境内を持っていますが、参拝する人が少ないです。
真夏には、特に人が少なくなり、ほとんど貸し切り状態でお参りできますね。
夏の境内
頂妙寺には、地下鉄の三条京阪駅、または、京阪電車の三条駅から北に約5分歩くと到着します。
三条大橋から東の一帯は、日蓮宗の寺院が建ち並び、この辺りを歩くだけでも京都らしい景観を楽しむことができます。
仁王門通に面する頂妙寺の山門の前に到着。
山門をくぐって境内へ。
正面に建つ仁王門は仁王門通の由来となった門です。
仁王門には、東側に持国天、西側に多聞天が祀られています。
金網越しに中を覗くと、薄暗い空間に持国天と多聞天がいらっしゃるのが見えます。
しかし、奥の方に安置されているので、はっきりとは見えません。
仁王門の後ろは、開放的な空間となっており、その奥に本堂が建っています。
また、境内の東側には、祖師堂もあります。
本堂の前には、日蓮聖人の像。
そして、その後ろには背の高いイチョウが植えられています。
頂妙寺の境内には、数本のイチョウが植えられており、11月になると美しく黄葉した姿を見せてくれますよ。
鎮守社
本堂にお参りを済ませ、北東角に向かいます。
こちらには、朱色の社殿が目を引く威徳善神を祀るお堂があります。
本堂の東側の景色はこんな感じ。
境内の西側には、鬼子母尊神を祀るお堂があります。
鬼子母尊神は、法華経信者の守護神であるとともに子供の守護神でもあります。
子授け、安産、発育良好、学道増進のご利益を授けてくれますよ。
鬼子母尊神のお堂の南隣には、妙見宮もあります。
妙見大菩薩は、北極星の化身で、旅の道標である北極星・北斗七星を人生の道しるべとし、所願成就を司る守護神です。
堂内には、護法龍神、弁財天、常行菩薩も祀られています。
さらに妙見宮の南には、菊神稲荷を祀るお堂も建っています。
鳥居をくぐると、足元で子ネコが寝ていました。
頭を撫でても気づきません。
お堂にお参りをしようと前に進むと、こちらに気づき、慌てて逃げていきましたよ。
1788年の天明の大火で、頂妙寺は焼失しました。
当時の住職だった妙雲院日敬上人は、頂妙寺再建のため、寝食を忘れ復興に尽力します。
頂妙寺の説明書によると、日敬上人がうとうとしていると、枕辺に神々しく輝く姿の神があらわれたとのこと。
その神は、「我は菊神稲荷で、ここより1町(約100メートル)南に下がったところで雨露に晒されている」と言いました。
そして、「頂妙寺を早く復興させたいなら、我を祀って当地域と頂妙寺の守護神とせよ」と日敬上人に伝えまます。
不思議に思った日敬上人は、早速、示された場所に行くと、川の中で光り輝くご神体が埋もれているのを見つけました。
日敬上人は、これを持ち帰り、現在地に祀りました。
これが、現在の菊神稲荷です。
その後、日敬上人は無事に頂妙寺を再建できたため、菊神稲荷は大菊町の氏神、頂妙寺の守護神として篤く崇敬されるようになったそうで、多くの人々から、火難除け、困難克服の守護を祈られるようになったということです。
この話を知ると、菊神稲荷から大いにご利益を授かれそうですね。
しっかりとお参りをしておきましょう。
頂妙寺からそろそろ出ましょう。
真夏の暑い中でしたが、こんな日にお参りをしたので、きっと菊神稲荷から困難克服のご利益を授かれたことでしょう。
なお、頂妙寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。