8月下旬に京都市上京区の京都御苑にサルスベリを見に行った際、苑内にある閑院宮邸跡(かんいんのみやていあと)に入りました。
閑院宮邸跡は、誰でも自由に入ることができるので、京都御苑を訪れた際に時間があれば立ち寄りたいですね。
宮内省所長官舎跡
閑院宮邸跡は、京都御苑の南西にあり、地下鉄の丸太町駅から徒歩約5分で到着します。
入り口には立派な門があります。
門をくぐると、正面に収納展示館がありますが、今は、新型コロナウイルスの影響で中に入れません。
普段は、収納展示館で京都御苑の歴史などを紹介したパネルを見たりできますよ。
閑院宮邸跡の南側には、割と大きな池があります。
東屋の中で腰かけて、しばし池を眺めます。
東屋から西に向かって歩きます。
芝生と木々の緑がきれいですね。
ムクゲが白色の花を咲かせていました。
全体的にムクゲは花数が少なめです。
閑院宮邸は、明治に入って華族会館や裁判所などに使用された後、明治16年(1883年)に宮内省京都支庁が設けられ、屋敷も建て替えられたと言われています。
敷地の西側にやって来ると、その宮内省所長官舎跡があり、地面は、建物の間取りがわかるように区画されています。
上の写真は、官舎の北側から南向きに撮影したものです。
説明書によると、明治25年に宮内省京都支庁の所長官舎が建てられたそうです。
正面に玄関塔、東に来客棟、中庭を囲んで西に私室塔がコの字型に配置された左右対称的な平屋で、当時の官舎の特色を示しているとのこと。
来客棟の近くには、大きな貴船石が置かれています。
来客棟の主室は、客座敷で、八畳敷、東側に床と床脇棚を設け、床柱は栂(とが)の四方柾(しほうまさ)の核柱で、丸太長押(なげし)をめぐらし、釘隠(くぎかくし)金具が打たれ、格調を備えた数寄屋風の造りだったようです。
来客棟には、広いベンチがあるので、ここに座って所長官舎跡を眺めることができます。
官舎の南には、遣水(やりみず)と園池(えんち)があり、来客棟主室からは、南西に向かって流れる遣水を楽しむことができます。
西側の私室塔からは、南から東へ庭を見晴らせるようになっています。
私室塔の先端の座敷は、来客棟の客座敷より簡素でしたが、十畳の広さの一隅に押入れが設けられていたとのこと。
私室塔から眺める庭園も風情があったんでしょうね。
所長官舎の南側の池の周囲には、鞍馬石、緑色片岩などの名石が添えられています。
また、庭園内には、形の異なる燈籠(とうろう)が5つ配されています。
今は、所長官舎がなく、庭園だけが残り、ちょっと不思議な景色となっています。
夏の終わりは、京都の人出が少ないこともありますが、閑院宮邸跡は、ほぼ無人でした。
秋には、収納展示館からきれいな床紅葉を見られますから、11月下旬に閑院宮邸跡に紅葉狩りに訪れるのもおすすめですよ。
なお、京都御所の詳細については以下のページを参考にしてみてください。