京都市街で見かけた御旅所

京都の町を散策していると、御旅所(おたびしょ)という敷地を見かけることがあります。

入口に鳥居があるので、神社かと思ってしまいますが、ちょっと違います。

御旅所は、神社の祭礼で神輿が休憩したり宿泊したりする場所のことです。

簡単に言うと、神輿のホテルのようなものですね。

今回の記事では、伏見稲荷大社松尾大社八坂神社の御旅所を紹介します。

伏見稲荷大社御旅所

伏見稲荷大社御旅所は、京都市南区にあります。

東寺から北東に10分ほど歩いた辺りですね。

伏見稲荷大社御旅所

伏見稲荷大社御旅所

伏見稲荷大社御旅所は、稲荷祭の際に5基の神輿が宿泊するところです。

敷地内は、神輿を運び込むためなのか、広い割に建物が少なく、がらがらといった感じです。

もともと伏見稲荷大社の御旅所は、八条坊門猪熊と油小路七条にあったのですが、豊臣秀吉によってひとつとされ、現在地に移されました。

松尾大社西七条御旅所

松尾大社(まつのおたいしゃ)の御旅所は、下京区にあります。

その御旅所は、松尾大社西七条御旅所といいます。

松尾大社西七条御旅所

松尾大社西七条御旅所

西七条御旅所では、松尾祭の神幸祭で、大宮社、櫟谷社(いちいだにしゃ)、宗像社(むなかたしゃ)、四之社の神輿と月読社の唐櫃(からびつ)の渡御があり、22日間宿泊します。

伏見稲荷大社の御旅所と同じく、敷地内は、広々としています。

八坂神社の大政所御旅所

八坂神社の御旅所は、四条烏丸にあります。

御旅所の名は、大政所御旅所(おおまんどころおたびしょ)です。

大政所御旅所

大政所御旅所

大政所御旅所は、上記2つの御旅所と比較すると、とても狭いです。

ここは、八坂神社の祭礼である祇園祭の時に3基の神輿のうち、大政所神輿と八王子神輿の2基が安置されました。

ちなみに残る1基の少将井神輿は、四条烏丸の交差点の北の少将井御旅所に安置されました。

現在地に大政所御旅所が置かれたのは、平安時代中期のことです。

大政所御旅所の説明書によると、当時、この地に住んでいた秦助正が、夢の中で八坂大神の信託を受け、また、クモの糸が自宅の庭から八坂神社まで引いているのを見て、朝廷に奏上した結果、彼の自宅が御旅所となったそうです。

現在でも、神輿還御の際には、神輿がここに立ち寄り、神職が拝礼をします。

上記の他にも京都には、御旅所がいくつかあります。

京都観光の際に御旅所を見つけた時は、休憩を兼ねて、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。