京都市伏見区の5寺社を初詣をかねて散策する伏見五福めぐりという巡礼があります。
伏見五福めぐりは、伏見五利益めぐりとも呼ばれ、昭和60年(1985年)から始まりました。
散策する5寺社は、長建寺、藤森神社、大黒寺、乃木神社、御香宮神社です。
伏見は酒蔵が多く、名水もいたる所で湧き出しており、もちろん上の5寺社の境内からも湧き出しています。
そこで、今回の記事では、伏見五福めぐりの各寺社とその名水を紹介します。
1.長建寺と閼伽水
長建寺は、京阪電車の中書島駅から北に5分ほど歩いた辺りに建っています。
朱色の竜宮門が特徴的です。
長建寺は、元禄12年(1699年)に伏見奉行の建部政宇(たつべまさのき)が、この付近の開拓の際、福徳、智恵、財宝をもたらす弁財天を祀ったのが始まりです。
境内から湧き出す水は、閼伽水(あかすい)と呼ばれ、弁財天にお供えされています。
2.藤森神社と不二の水
藤森神社(ふじのもりじんじゃ)は、京阪電車の墨染駅から北東に5分ほど歩くと到着します。
藤森神社は、平安遷都(794年)より以前から存在する古社で、菖蒲の節句発祥の地とされています。
菖蒲が勝負に通じることから勝運の神として崇敬されており、また、毎年5月5日に駈馬神事が行われることから馬の神としても信仰されています。
境内から湧き出す不二(ふじ)の水は、2つとない美味しい水という意味で、武運長久、学問向上、勝運のご利益があると伝えられています。
3.大黒寺と金運清水
大黒寺は、京阪電車の丹波橋駅から西に5分ほど歩いた場所に建っています。
大黒寺は、当初は、長福寺と称していました。
当寺の近くに薩摩藩邸があり、藩主島津家の守り本尊の出世大黒天と同じ大黒天が祀られたことから、元和元年(1615年)に同藩の祈願所となり大黒寺と改称されました。
また、墓地に寺田屋事件殉難者の墓があることでも知られています。
境内から湧き出す名水は、金運清水と呼ばれています。
平成13年(2001年)に掘られたもので、金運や子孫繁栄のご利益があるとされています。
4.乃木神社と勝水
乃木神社は、JR桃山駅から東に5分ほど歩いた辺りに建っています。
乃木神社は、大正5年(1916年)に創建され、明治の軍人乃木希典(のぎまれすけ)を祀っています。
境内にある勝水は、創建当初から湧出しており、武運長久、家運隆盛、健康長寿のご利益があると伝えられています。
5.御香宮神社と御香水
御香宮神社は、京阪電車の伏見桃山駅から東に5分ほど歩いた辺りに建っています。近鉄電車の最寄り駅は、桃山御陵駅です。
貞観4年(862年)に境内から良い香りのする清泉が湧き出し、この水を飲むとたちまち病が癒えたことから、清和天皇が御香宮の名を与えたと伝えられています。
御香宮の名水は御香水と呼ばれています。
御香水は、明治時代に枯れてしまいましたが、昭和57年に復元され、同60年には名水百選にも認定されました。
井戸の上には、「名水百選」認定書が掲げられています。
以上が、伏見五福めぐりの各寺社と名水です。
伏見五福めぐりには、朱印色紙が用意されており、5つの寺社で朱印をいただけます。
私は、朱印色紙を購入したことがないので、実物を見たことがありません。
なので、朱印色紙の写真については、「別にどうと言う事もない日々の記録」さんの下記記事をご覧になってください。なんともカラフルな色紙です。