京都には、七福神巡りなど、点在するいくつかの聖地を巡る巡礼がいくつかあります。
巡礼は、簡単に巡ることができるものから時間がかかるものまで多種多様です。
今回の記事では、京都の巡礼の中でも時間がかかる洛陽六阿弥陀めぐりを紹介します。
内容とご利益
洛陽六阿弥陀めぐりは、享保2年(1717年)に木食正禅上人(もくじきしょうぜんしょうにん)が発願したといわれています。
巡るお寺は以下のとおりです。
- 真如堂
- 永観堂
- 清水寺阿弥陀堂
- 安祥院
- 安養寺(倒蓮華寺)
- 誓願寺
たった6ヶ所だけなら簡単だと思いますが、実は、月ごとに違う功徳日参りを3年3ヶ月続ける必要があります。また、必ず1番から順に巡らなければなりません。
見事、3年3ヶ月続けることができたら、無病息災、家運隆盛、祈願成就が叶うそうです。
なお、功徳日は、以下のとおりです。
- 1月15日、2月8日、3月14日、春の彼岸
- 4月15日、5月18日、6月19日、7月14日
- 8月15日、9月18日、秋の彼岸、10月8日
- 11月24日、12月24日
それでは、順に各聖地を簡単に紹介していきます。
第1番 真如堂
真如堂は、京都市左京区に建っています。
平安神宮から北東に15分ほど歩くと到着します。
創建は、正暦3年(992年)で、比叡山の戎算(かいざん)が延暦寺にあった阿弥陀如来を安置したのが始まりです。
真如堂は、紅葉の名所として知られていますね。
第2番 永観堂
永観堂は、真如堂から南東に15分ほど歩くと到着します。
永観堂の阿弥陀堂には、見返り阿弥陀と呼ばれる阿弥陀如来が安置されています。
永保2年(1082年)2月25日の早朝。
永観(ようかん)が念仏を唱えながら仏堂を巡り歩く行道をしていると、阿弥陀如来が壇上から降りてきました。
阿弥陀如来は、永観の前を進みます。
これに驚き呆然としている永観に阿弥陀如来が振り返り、「永観遅し」といったそうです。
見返り阿弥陀は、秋に特別公開されます。
実際にお参りしてみると、確かに振り返ったお姿をしていました。
第3番 清水寺阿弥陀堂
3番目は、世界遺産に登録されている清水寺境内に建つ阿弥陀堂です。
阿弥陀堂は、奥の院の隣に建っており、中には、金色の阿弥陀如来が祀られています。
この地は、浄土宗の開祖法然が、日本で最初に常行念仏道場とした場所です。なので、堂内には、法然上人像も安置されています。
第4番 安祥院
安祥院は、清水寺に向かう五条坂の途中に建っています。
本尊は、木食正禅上人作と伝えられている阿弥陀如来像です。
境内の地蔵堂には、参拝者が日数を決めて祈願すると願い事が叶うとされる日限地蔵(ひぎりじぞう)が安置されています。
第5番 安養寺(倒蓮華寺)
安養寺は、中京区の新京極に建っています。
安養寺は、倒蓮華寺(さかれんげじ)とも呼ばれています。
本尊の阿弥陀如来を作る際、どうしても台座が壊れるので、蓮華の台座を逆さにしたところ無事安置できたことからそう呼ばれています。
第6番 誓願寺
誓願寺は、安養寺から北に3分ほど歩いた場所に建っています。
お寺の中には、とても大きな金色の阿弥陀如来像が安置されています。
昔は、胎内に五臓六腑があったという阿弥陀如来を祀っていましたが、天明の大火(1788年)で焼失しています。
市バスを使って6ヵ所全てを巡るには
洛陽六阿弥陀めぐりの聖地6ヵ所全てを市バスで巡る方法を以下に紹介しておきます。
出発は京都駅からです。事前に500円で市バス1日乗車券を購入しておきましょう。
京都駅から真如堂へ
市バス100系統か5系統に乗車し、東天王町で下車します。
乗車時間は約30分です。
東天王町から真如堂までは徒歩約5分です。
真如堂から永観堂へ
真如堂から永観堂へは歩いて行きましょう。
南東に15分ほど歩けば到着しますので、それほど苦にはなりません。
永観堂から清水寺へ
南禅寺・永観堂道から市バス5系統に乗車し、東山三条で下車します。
さらに東山三条から市バス206系統に乗車し、五条坂で下車します。
乗車時間は約30分です。
五条坂から清水寺までは、徒歩約15分です。
清水寺から安祥院へ
安祥院へは、清水寺から五条坂を10分ほど下りると到着します。
安祥院から安養寺へ
再び市バス亭五条坂に戻り、市バス207号に乗車して、四条河原町で下車します。
乗車時間は約10分です。
四条河原町からは、新京極通を北に5分ほど歩けば、安養寺に到着します。
安養寺から誓願寺へ
誓願寺へは、安養寺から新京極通を北に3分ほど歩くと到着します。
京都駅を午前中に出発すれば、夕方には6ヵ所全て巡ることができるでしょう。
ただ、3年3ヶ月続けなけらばならないというのが、大変ですね。