京都にはたくさんの史跡があります。
街を歩いていると、史跡の案内板や石碑が置かれているのに気付く方も多いのではないでしょうか。
私もある日、京都駅や四条烏丸などがある下京区を歩いていると「源氏ゆかりの地」と書かれた案内板を発見しました。
下京のまちの源氏ゆかりの地を歩くモデルルート
源氏ゆかりの地の案内板の一番上には、「下京のまちの源氏ゆかりの地を歩くモデルルート」と書かれており、下京区にある6ヵ所の源氏ゆかりの地の簡単な解説と地図が載っていました。
6ヵ所の源氏ゆかりの地とは、「牛若丸と弁慶の像」、「神明神社」、「五條天神宮」、「若宮八幡宮」、「左牛女井(さめがい)之跡」、「源為義公塚」です。
今回の記事では、この6ヵ所の源氏ゆかりの地を紹介したいと思います。
1.牛若丸と弁慶の像
牛若丸と弁慶の像は、五条大橋の脇に置かれています。
五条大橋と言えば、牛若丸と弁慶が対決した橋として知られています。
毎晩、弁慶が五条大橋で平家の者たちから刀を奪い取り、残り1本で1,000本となるところで、牛若丸に負けました。
その後、2人は、主従の関係となり、生涯を共にすることとなります。
実際には、牛若丸と弁慶が出会ったのは、現在の五条大橋ではなく、1本北に架かっている松原橋とされています。
2.神明神社
神明神社は、四条烏丸に建っています。
町中にある小さな神社で、意識して歩かないと見落としてしまいます。
神明神社は、以仁王(もちひとおう)とともに平家追討に起ちあがった源頼政と関係があります。
頼政は、毎晩、都を騒がしていた妖怪の鵺(ぬえ)を退治したという伝説があり、その時に使用した2本の矢じりが、ここ神明神社に伝わっています。
3.五條天神宮
五條天神宮は、四条烏丸の南西に建っています。
創建は、平安遷都(794年)の頃で、当初は天使の宮と称していましたが、鎌倉時代の初期に現在の社名になりました。
一般的に牛若丸と弁慶は、五条大橋で出会ったとされていますが、義経記(ぎけいき)では、五條天神宮で出会ったと記述されています。
4.若宮八幡宮
若宮八幡宮は、東本願寺の北東に建っています。
若宮八幡宮は、源義家の父頼義が創建した神社です。
この付近には、源氏の邸宅もありました。
若宮八幡宮は、源氏の氏神として崇敬を集め、源氏の流れをくむ足利氏からも崇敬を得ていました。
5.左女牛井之跡
左女牛井之跡は、西本願寺の北にあります。
この付近も若宮八幡宮と同様に源氏の邸宅があった場所とされています。
左女牛井は、その邸宅内にあった井戸で、京都の名水のひとつです。
村田珠光や千利休も使用した名水でしたが、第2次大戦中の堀川通の拡幅でなくなりました。
6.源為義公塚
源為義の塚は、七条通と七本松通が交差する辺りの権現寺(ごんげんじ)内にあります。
源為義は、義朝の父で、頼朝や義経のおじいさんにあたります。
保元の乱で、崇徳上皇側につき、子の義朝や平清盛と敵対しますが、敗れて処刑されました。
京都駅からの廻り方
以上が、下京区の源氏ゆかりの地です。
下京区の案内板では、上で紹介した順番に廻る方法がモデルルートとされています。
京都駅から出発する場合、まずは地下鉄に乗車し、五条駅で降りて東に10分ほど歩くと五条大橋に到着します。
そこから、反時計回りに歩くと下京区の源氏ゆかりの地を全て訪れることができますね。
私は、1日で全て訪れたわけではありませんが、休まず歩き続ければ2時間程度で廻れるのではないでしょうか。
ただ、かなりの距離を歩くことになりますので、途中カフェなどで休憩することを考慮すると3時間から4時間程度かかると思います。
興味のある方は、一度下京区の源氏ゆかりの地を廻ってみてはいかがですか。