京都市中京区は、その地名のとおり京都の中心にあたる地域です。
そのためか、中京区はビジネス街やショッピングエリアが多く、たくさんの人で賑わっています。
ショッピングエリアの中でも寺町通や新京極通などは、アーケードになっていて、京都ならではのお土産屋さんやお食事処が多く軒を並べています。
アーケード街は、一見すると買い物をするだけの場所のようにも見えますが、意外と見るべきお寺や神社がたくさんあります。
そこで、今回は新京極通にあるお寺や神社について紹介したいと思います。
地下鉄京都市役所前駅から地下鉄四条駅まで歩いてみる
京都駅から新京極に行くには、地下鉄に乗車して四条駅もしくは京都市役所前駅で下車してください。
四条駅で下車した場合は京都市役所前駅に向かって新京極通を北上、京都市役所前駅で下車した場合は四条駅に向かって新京極通を南下することになります。
今回は、京都市役所前駅からアーケード街を南下していきます。
本能寺
まず、京都市役所前駅から新京極通へは、寺町通から入って行くことになります。
寺町通に入ってすぐの場所に建っているのが、本能寺です。
本能寺といえば、織田信長が明智光秀に攻められた本能寺の変(1582年)が有名ですね。
「ここで織田信長が最期を遂げたのか」と感慨深く観てしまいますが、実は本能寺の変の舞台はこの場所ではありません。
現在の本能寺は、後に豊臣秀吉が再建したもので、その時に今の場所に移されました。
矢田寺
本能寺を過ぎて、南に200メートルほど歩いた東側に小さなお寺があります。
このお寺の名は矢田寺。
周りのお店と同化しているような外観で、ぼーっと歩いていると気付かずに通り過ぎてしまいそうです。
矢田寺のお地蔵さんは、矢田地蔵と呼ばれ、地獄において人々の苦しみを救う地蔵として信仰されているとか。代受苦地蔵(だいじゅくじぞう)とも呼ばれています。
誓願寺
矢田寺を過ぎると道が2本に分かれています。
西が寺町通で東が新京極通です。
ここで、やっと新京極通に入ります。
新京極通に入って3分ほど歩くと誓願寺が見えてきます。
誓願寺の55世安楽庵策伝上人は、落語の祖とされている人物です。
そのため、誓願寺は芸道上達のご利益があるとされています。
境内には、扇塚もあり落語との深い関係が窺われますね。
建物の中には、大きな金色の仏様が安置されており、外からでも観ることができます。誓願寺に訪れたら、ぜひとも拝んでおきたいですね。
誠心院
誓願寺から3分ほど歩くと今度は誠心院があります。
矢田寺同様に周りのお店などと同化していて、うっかり通り過ぎそうになりますので注意してください。
誠心院は、和泉式部寺とも呼ばれ、藤原道長が和泉式部のためにつくった庵が始まりとされています。
和泉式部は、女流歌人として有名ですが、恋多き女性としても知られており、貴船神社の結社に縁結びの祈願をしたともいわれていますね。
境内には、和泉式部のお墓と伝えられている宝篋院塔があります。
安養寺
誠心院を過ぎ、しばらく歩くと東側に道が現れます。
その東側の道と交わるあたりに建っているのが安養寺です。
安養寺は、倒蓮華寺(さかれんげじ)とも呼ばれています。
本尊の阿弥陀如来像を作る際、どうしても蓮華の台座が壊れるので、その台座を逆さにしたところ、うまく作ることができたことから、倒蓮華寺と呼ばれるようになったそうです。
女性を救う阿弥陀如来として信仰を集めているとか。
女性の方は、ぜひ訪れてみてください。ただ、安養寺はよく閉まっているので、入ることができないかもしれません。
錦天満宮
新京極通もいよいよ四条通の車の流れが見えるあたりまで進むと錦天満宮が建っています。
天満宮なので祭神は学問の神様の菅原道真です。
錦の天神さんの愛称で親しまれています。
修学旅行生が多い新京極にぴったりの神社ですね。
錦天満宮まで観た後は、南に進んで四条通を西に10分程度歩くと地下鉄四条駅に着きます。
このまま帰路につくのもいいのですが、錦天満宮の正面の道を西に進むと錦市場があるので、こちらにも立ち寄ってみてもいいですね。