京阪電車の深草駅から西に10分ほど歩くと、宝塔寺というお寺が現れます。
この辺りで有名な寺社と言えば、伏見稲荷大社です。多くの観光客の方は、伏見稲荷大社に参拝した後、すぐに電車に乗って、帰ってしまうのですが、それはちょっともったいないですね。
近くには、一度は訪れたい寺社がいくつかあるので、それらを見た後に電車に乗ってもらいたいところです。
今回紹介する宝塔寺も伏見稲荷大社周辺で見ておきたいお寺のひとつです。
仁王門の下に来たら見上げること
宝塔寺を訪れるのは、実に3年半ぶり。
今回訪れたのは、以前に訪れた時に見逃してしまったものを見るためです。
入口の山門をくぐると、緩やかな上り坂となっている参道が現れます。
この参道の一番上に鮮やかな朱色の仁王門が建っています。
仁王門の左右には、那羅延金剛(ならえんこんごう)と密迹金剛(みっしゃくこんごう)がお寺を守るように仁王立ちしています。
体は真っ赤でとても威圧感があります。
仁王門では、この2体の金剛像にばかり目が行きますが、それ以上にしっかりとみておきたいのが、花天井絵です。
仁王門の真下まで来ると、上を見てみましょう。
天井には、きれいに描かれた花がたくさんあります。
以前、私が見逃したのが、この花天井絵です。
そのうち宝塔寺に訪れようと思いながら、3年以上も経っていました。
後悔しないためにも、観光の際は、事前にある程度予習をしておいた方が良いですね。
七面山に登る
仁王門をくぐり境内へ。
まずは本堂にお参りです。
本堂は、江戸時代初期に創建されたものですが、近年に修理が行われたことから、外見は新しく見えます。
中には、十界曼荼羅、釈迦如来立像が祀られています。
また、当寺は、日蓮宗ということで、日蓮とその法孫の日像の像も祀られています。
本堂の南には、多宝塔が建っています。
この多宝塔は、上層が円筒形、下層が四角形になっています。
また、屋根は、行基葺きという方法で瓦が葺かれています。
なお、行基葺きについては「まつみInternet」というWEBサイトの瓦葺きのページに詳細が書かれていますので、ご覧になってください。
本堂の裏には、七面山という小高い山があります。
七面山の上には、七面大明神を祀る七面宮(しちめんぐう)という社があるので、宝塔寺に訪れた時には、こちらにもお参りしておきたいところです。
七面大明神の鳥居をくぐって、石段を上っていくと、木々が生い茂る山の上に到着します。
そこに七面宮は、建っています。
宝塔寺の入口にあった説明書には、ここからの眺めがすばらしいと書いてあったのですが、残念ながら、木の背丈が高くなっていたせいで、京都の街並みを眺めることができませんでした。
千仏堂と三十番神
七面宮にお参りを済ませ下山。
石段を下りていくと、途中に千仏堂という小さな祠があります。
この千仏堂には、1,000体の小さな鬼子母神像が祀られています。
千仏堂にある解説を読むと、正保4年(1647年)に建立されたものだとか。
当時、仏師として名高い日護が、1体の鬼子母神と10体の羅刹神を宝塔寺に寄進したところ、それに感激した住職が1,000体の鬼子母神を土で造り、千仏堂に納めたそうです。
千仏堂から少し石段を下りたところには、三十番神も祀られています。
三十番神は、1ヶ月30日毎日交代で国家や国民を守護する神々のことで、日蓮が比叡山横川で修行中に現れたと伝えられています。
宝塔寺は、日蓮宗のお寺なので、三十番神を祀った社が境内にあるのでしょうね。
三十番神にお参りを済ませ、宝塔寺を出ました。
3年以上もの間、いつかは見ようと思っていた花天井絵を見ることができたので、非常に満足です。
なお、宝塔寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。