ある日、四条通を西から東に向かって歩いていました。
ここは、車やバスの通りが多く、あまり京都らしさを感じることができない道路です。
でも、こういったところにも歴史を感じることができる場所があるものです。
西洞院通の交差点に差し掛かった時、平安時代の小野小町の史跡があるのに気づきました。
小野小町の別荘跡
小野小町の史跡があるのは、西洞院四条の南に建つ若菜屋さんという和菓子屋の建物の壁近くです。
ここは、平安時代に小野小町の別荘があったところで、化粧水(けしょうのみず)と刻まれた石碑が置かれています。
説明書には、詳しい記述がなく、江戸時代のガイドブックに小野小町の別荘があった場所と記載されていたことくらいしか書かれていませんでした。
ということで、ネットで検索してみると、この石碑に関する情報がいくつか出てきました。
化粧水というくらいですから、小野小町が化粧のために使った水がここにあったのだろうということが想像できます。
では、この化粧水は、現在どうなっているのかというと、四条通を挟んだ北向かいに建つ四条京町家で、同じ水脈の水を汲むことができるようになっています。
せっかく近くに来たのに四条京町家の存在を知らず、化粧水を汲むことができなかったのが残念です。
なお、四条京町家の写真は、以下のWEBサイトに掲載されていますので、ご覧になってください。
随心院の小野小町化粧の井戸
西洞院四条の化粧水と同じような井戸が山科区の随心院にもあります。
こちらにあるのは、小野小町化粧の井戸です。
随心院が建つ辺りは、小野一族が栄た地と伝えられています。
境内に今も残る化粧の井戸で、小野小町は化粧をしていたのでしょうね。
このような小野小町ゆかりの井戸は、様々な場所にあったと伝えられており、小町が晩年を過ごしたとされる左京区の補陀洛寺(ふだらくじ)にも小野小町姿見の井が残っています。
私は、補陀洛寺には訪れたことがないので、見たことはありませんが、下記WEBサイトによると、現在は空井戸となっているそうです。
何気なく歩いていた四条通で見つけた化粧水の石碑。
こんな車の通りが多いところにも、しっかりと史跡が残っているのが京都の良いところです。
西洞院四条に訪れた際は、四条京町家にも立ち寄って化粧水を汲むと、小野小町のような美人になれるかもしれませんね。