京都市東山区の青蓮院(しょうれんいん)は、三千院、妙法院と合わせて天台宗の三門跡寺院の一つに数えられます。
門跡寺院は、代々、皇室関係者が住職を務めた格式の高い寺院のことで、青蓮院も粟田御所と呼ばれ、高い格式を誇ってきました。
その青蓮院には、相阿弥作と伝わる築山泉水庭(つきやませんすいてい)という庭園があります。
今回の記事では、青蓮院の築山泉水庭を紹介します。
粟田山を借景にする
青蓮院の最寄り駅は、地下鉄の東山駅です。
駅からは、神宮道を南に5分ほど歩けば青蓮院に到着します。
拝観受付で拝観料を納め、靴を脱いで建物の中に入ります。
そして順路に従い、客殿の華頂殿にやってくると、東側の窓越しに粟田山を借景にした築山泉水庭を見ることができます。
築山泉水庭は、華頂殿の中からだけでなく、散策することもできます。
粟田山の山すそにある大きな池は、龍心池(りゅうしんち)と呼ばれており、南側には、石橋の跨龍橋(こりゅうのはし)が架かっています。
また、龍心池の中には、中島のように巨石が浮かんでいます。
池の奥に目をやると、洗心滝(せんしんのたき)から池に水が流れ込んでいるのも見えますよ。
巨石と跨龍橋を一緒に見ると、石の力強さを感じられますね。
粟田山の下、洗心池の護岸にも多数の巨石が置かれています。
巨石は、枯山水庭園でよく見かけますが、池泉式の庭園の方が、不思議と迫力があるように見えます。
秋の築山泉水庭
さて、築山泉水庭が最も美しく感じられるのは、秋の紅葉の時期です。
池のほとりに植えられたカエデは、水面につきそうなほどモミジを垂らします。
巨石と一緒に見る紅葉も味わい深いものがありますね。
常緑樹に混ざって赤く染まったカエデを見ると、秋の深まりをより感じられます。
この景色は、華頂殿の中から見るのも良いですし、庭園のほとりから見るのも良いです。
どちらからも拝観時は見られるので、気が済むまで庭園をじっくりと鑑賞したいですね。
また、築山泉水庭の北には、小堀遠州作の霧島の庭もあり、こちらの紅葉も非常に美しいので、秋の青蓮院拝観時は忘れずに見ておきましょう。
青蓮院の築山泉水庭は、粟田山の山すそに造られており、他ではあまり見ることのない景色を見せてくれます。
東山を散策する際には、ぜひ青蓮院にも足を運んでください。
なお、青蓮院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。